2011年11月14日
ムラヴィンスキー&レニングラード・フィルのショスタコーヴィチ:交響曲第5番(1973年レニングラードにおけるライヴ)
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ムラヴィンスキーはショスタコーヴィチの交響曲第5番を初演して、この作曲家との深い結び付きが生まれ、この作曲家の最も良き理解者となった指揮者である。
だから彼が指揮したショスタコの交響曲は、どれをとっても聴くに値するものばかりである。
特に第5番は初演以来、何十回、何百回となく演奏会でとりあげているせいか、現在までDVD等を含めると、ムラヴィンスキーとレニングラード・フィルの演奏で、なんと12種類のディスクが発表されている。
そのなかでも、最高の演奏・録音がこの1枚である。
1973年5月3日 レニングラード・フィルハーモニー 大ホールでのライヴだが、彼らの演奏はまさに絶好調で、冒頭からきわめて魅力的な表現である。
一分の隙もない鍛えに鍛え抜かれた音楽ともいえるが、非常に透明度が高く、そこに毅然とした精神性が示されている。
第3楽章などの透徹した表情は、もはや哲学的といってよい。
終楽章の驚くべき生命力の解放も雄渾をきわめた音楽を聴かせる。
アゴーギクも音楽的で、演奏の精度の高さは比類がない。
コーダでは1974年版の改訂を早くも採用して遅いテンポで演奏されているが、そのため終結は感動的に高揚する。
1973年のライヴ録音ながら、レニングラード・フィルの輝かしさを捉え、しかもムラヴィンスキーの気高いまでの表現をしっかりと伝えている。
この曲ではまず聴いてほしい演奏である。
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