2011年07月23日
ムラヴィンスキーのベートーヴェン:交響曲第5番&第7番
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「第5」は1974年9月15日、「第7」は1964年9月19日、以上レニングラード・フィルハーモニック大ホールでのライヴ録音。
最近の古典派、とりわけウィーン古典派音楽の演奏スタイルには目覚ましい変化が生じている。
いわゆるオリジナル楽器編成とモダン・オーケストラの如何を問わず、概してテクスチュアのクリアーな浮き彫りに大きく神経が配られる傾向がある。
このムラヴィンスキーの演奏は、こうしたスタイルが定着する前のもので、響きは全体にマッシヴな作り方に重点が置かれたものになっている。
ムラヴィンスキーの第5番の録音は過去にもいくつかあったが、そのいずれもが最高峰とまではいかなかった。
しかし、これは違った。
この演奏は第5番の全CDの中でも重要な位置を占めるものである。
ムラヴィンスキーの指揮ぶりは、聴衆へのサービスや媚びがいっさいなく、速いテンポで虚飾を排し、音楽の核のみを重視、これほど魂の孤独な闘いを実感させる演奏もあるまい。
この真剣さ、緊迫感、集中力、本番ずれしがちなプロの集団から、よくぞこれほどの暴風雨のような響きが出せたものだと感心する。
組み合わされた第7番は今一歩の出来ばえだ。
ムラヴィンスキーというと、すぐにロシア音楽と考える人が多いが、そうではないことをぜひ認識してほしい。
こんな指揮者がつい最近まで生きていたかと思うと、筆者ももう少し早くこの世に生を受け、もっともっと生演奏が聴きたかったと思う。
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