2011年07月08日

アンチェルのショスタコーヴィチ:交響曲第1番&第5番


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第1番は1964年4月、第5番は1961年11月の録音。

素の音だ。

なんの飾り気もなく、ただただ作品の本質に迫る音。

これは、どんな能弁よりも、心に強く、深く迫ってくる。

素で勝負できるなら、これほどの強みはない。

アンチェルの現代的感覚の冴えを思い知らされるショスタコーヴィチで、作品がまるで生き物のように再生される臨場感が素晴らしい。

アンチェルの演奏には技術的にデリケートな側面とおおらかな気分が同居しているのが興味深い。

ことに第1番は、作品が自ら動き出すような快い躍動感があり、オーケストラとの絶妙なコンビネーションに驚かされる。

第5番はさらに劇的気迫とスケールの大きい演奏だが、音楽が瞬時として乾いた感じになることがないのはアンチェルならではだ。

全篇を支配しているのは、胸を締め付けられるような寂寥である。

第1楽章では、草木ひとつない荒れ果てた地球に、ただひとり佇むような極限の淋しさがある。

第3楽章の慟哭も、心の奥深くから絞り出される涙のようではないか。

実直に音を重ねていくだけなのに、そこに傷ついた心からの血の滲みが見てとれる。

終楽章も質実剛健な音楽づくりであり、いたずらに興奮を煽る要素は皆無だが、クライマックスを盛り上げているのは現代の先駆を成す演奏だ。

全体にゆとりのあるテンポで作品の悲劇性を素朴に表現しており、そこに西欧やアメリカとは異なるスラヴ的気質が表されているようだ。

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classicalmusic at 00:23コメント(0)ショスタコーヴィチ | アンチェル 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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