2011年07月10日
ザンデルリンク&フランス国立管のショスタコーヴィチ:交響曲第10番(1978年ライヴ)
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以前紹介したザンデルリンク指揮ベルリン交響楽団のスタジオ録音は、「10番」のスタンダード盤として、真っ先に推薦するものである。
一方、このフランス国立管弦楽団とのライヴも素晴らしい。
オーケストラの色彩感やサウンドの豊穣さにおいては、こちらの方が上で、ザンデルリンクの至芸を贅沢な音響で堪能できるのはありがたい。
両ディスクとも揃えておきたいものだ。
ムラヴィンスキー盤より録音も良く、演奏にも慈父のような暖かさ、懐の深さがある。
音楽が、どんなに悲痛になろうとも、凶暴になろうとも、徹底的に追いつめない心の大きさ、天から下界を見下ろすような眼差しの透徹がある。
第1楽章は遅いテンポで格調高く、じっくりと攻めており、スケールが大きい。
展開部における、立体的という言葉では追いつけない、多層的な音空間はまことに見事であるし、クライマックスにおける音の洪水には体が流されそうだ。
第2楽章の爆発ぶりも凄まじい。
この楽章に連続する内容いっぱいの音楽は、どれほどの最強音になっても美感を失わず、しかも味わいは濃厚、強靭なリズムとアンサンブルも聴きものだ。
第3楽章も冒頭部から美しく瞑想的であり、コーダの感慨深さも特筆すべきだ。
第4楽章のアダージョからアレグロに移る際の空気の変わり方には閃きがある。
ムラヴィンスキー盤とともに持っていたい。
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