2011年07月15日
クーベリックのマーラー:交響曲集(ライヴ)
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近年、独アウディーテよりクーベリックのライヴが多数発売されるようになり、「クーベリックの本領はライヴにあり」という声をよく耳にするようになった。
このマーラーのライヴ音源集(「第4」は含まれず)のうち特筆すべき演奏は、「第3」「第5」「第8」「大地の歌」の4曲だ。
「第3」は、まるで屋外コンサートを聴くような気持ちのする演奏であり、録音である。
どこまでも気宇壮大ながら、風通しの良いサウンドが心地よい。
テルツ少年合唱団の歌声が、至純なあまり心が痛いほどである。
これは内に向かうスタジオ盤より断然素晴らしい。
「第5」は、「ライヴのクーベリックは違う!」を高らかに宣言したような燃えに燃えた凄演。
まず1枚聴くなら、これだろう。
「第8」もライヴの長所が生きている。
「第3」同様に風通しの良い音で、この作品の宇宙的なスケールを的確に伝えてくれる。
シェルヘンのような破天荒なパワーは望めないけれど、コーラスの出来映えもしっかりしており、同曲のステレオ録音では筆頭に掲げたい。
「大地の歌」は、全集に加えられなかった作品だけに貴重な音源である。
1970年の録音というのは全集録音の期間中であり、スタジオ録音を念頭に置いた演奏会であったと考えるのが普通だろうか。
一体どんな事情が、スタジオ録音を妨げたのか(歌手との契約の問題かも知れない)。
テノールのクメントも及第点だが、時おり心よりも声を思わせるのが惜しい。
その点、アルトのベイカーは人生を歌ってくれる。
クーベリックの追求度、集中力はここでも申し分ない。
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