2011年07月25日

クナッパーツブッシュ・コンダクツ・ブルックナー&ワーグナー


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指揮者の中にはレパートリーの広さを誇る人がいる一方で、取り上げる曲目の範囲を限り、専ら自分に合った楽曲で勝負する人がいる。

後者の中でも代表的な存在が他ならぬクナッパーツブッシュである訳だが、彼の場合その音楽は少しもこれ見よがしなところが無いにも関わらず、そこには強く聴き手を引きつけて離さない大きな力があり、同時にそこにこの指揮者の巨大なパーソナリティーをを反映した極めてスケールの大きな演奏が実現されることになる。

クナッパーツブッシュの場合、このような最も代表的な例としてワーグナーを挙げることになるのだが、こういった巨大な芸術が実現される前提としてこの指揮者の体質が作曲家ワーグナーに最もぴったりしていることを誰しも認めない訳にはいかないし、それはこの指揮者が楽曲の中に自己の総てを投入することによって達成されるものにも他ならないと思う。

そしてもう1人、クナッパーツブッシュが完全に自己を同化させることの出来る作曲家を挙げるとすれば、それにブルックナーの存在が大きく立ち現われてくることになる。

こうして晩年のクナッパーツブッシュが指揮したブルックナーの歴史的ともいえる演奏が次々と発掘された録音を聴くに及んで、クナッパーツブッシュがブルックナー指揮者として最も著名な存在に挙げられるものであることを改めて確認した。

その悠然たるテンポと素朴な神秘主義は、特にワーグナーの中でも晩年の《パルジファル》のようないわばブルックナー風の音楽にぴったりしたものがあった。

当然ブルックナーを振った場合でも、クナッパーツブッシュの才能は他の誰よりもふさわしいものがある。

作曲家ブルックナーと同様に、この指揮者は性格的に或る種の素朴さを持っている。

彼の演奏は外声を殆ど無頓着といえる程に扱うのだが、このことは1つには彼がリハーサルに熱を入れないことからくるとはいえ、然しその無頓着さはブルックナーその人の農民風の無尽さにマッチしたものがある。

そしてクナッパーツブッシュが、ゆっくりした歩みと共に築かれるこの作曲家の壮大な音楽の流れを害うことなしにその脈動を変えるルバートの方法は、清澄さと高鳴る昂揚が順次交替するその音楽の本質を適格にとらえている様に思われる。

この実況盤は、色々な意味でこの指揮者の有りし日の芸術を偲ぶ貴重な記録を提供してくれるのである。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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