2010年10月02日
セルゲイ・ラフマニノフについて
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ラフマニノフのピアノ作品は、まず何よりも、20世紀前半のロシア・ピアノ界の大巨人たるピアニスト、ラフマニノフ自身のために作曲されている。
ラフマニノフの"巨人"とも呼ぶべき体躯、そして、その身体にふさわしい腕と指、そして今日でも古さを感じさせないテクニックを前提として、彼のピアノ作品は作られたのだ。
アシュケナージもリヒテルもオボーリンもギレリスも、ホロヴィッツですら、この点において、ラフマニノフには及ばない。
もしも、ラフマニノフが現代に生きていたら、一体どれだけ多くのロシアのピアニストがソリストとしての仕事を失っていただろうか。
ラフマニノフは、その音楽性においても、リストとアントン・ルビンシュテインの弟子であったシロティの流れを引きながら、そこに20世紀的な新しい方向性を与えたピアニストであり、作曲家であった。
その音楽性は、ヨーロッパとロシアのピアニズムの融合から生まれた濃厚で甘美なものであった。
ショパンやシューマンを弾くラフマニノフは、19世紀ロマン派のピアニストだったが、自作自演のラフマニノフは、ノイエ・ザッハリヒカイト以後の20世紀のピアニストだった。
ともあれ、ラフマニノフが残した自作自演の録音には、不世出とも呼ぶべき巨大な音楽性とヴィルトゥオジティの記録が刻まれている。
彼の自作自演は、決して古びない偉大な芸術の証である。
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