2011年11月25日
クナッパーツブッシュのブルックナー:交響曲第8番(ウィーン・フィル)&第9番(ベルリン・フィル)
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「第8」は1961年、「第9」は1950年、いずれもライヴ録音。
「第8」は、ウィーン・フィルの色彩感あふれる音と芳醇な弦に魅了される。
それは筆者がこれまで抱いていたクナッパーツブッシュの「ブル8像」を粉々に打ち砕いてしまった。
繰り返し聴くたびに、虜となっていく自分を発見するのである。
この虚飾のまったくない音を聴いていると、自分がひとり砂漠に立って、夜空を見上げるような寂寥感、ただひとり宇宙に投げ出されたような孤独感を覚えずにはいられない。
そして、その孤独にじっと耐えるクナッパーツブッシュの偉大な魂を想うのである。
さらに、この演奏は、キリスト教徒でない筆者にすら、偉大なる造物主の存在を確信させずにはおかない。
そして、これこそ「クナのブル8」の本質ではないだろうか。
「第9」は、一般に普及している原典版ではなく、ここではレーヴェ編曲の改訂版が用いられている。
クナッパーツブッシュの解釈は、濃厚な表情で演奏しており、これはブルックナーの様式とはやや異なる表現だ。
とはいえ音楽のスケールはすこぶる大きく表情にコクがあり、ゆっくりめのスケルツォに続いて、最後のアダージョは神秘的な恍惚の世界だ。
クナッパーツブッシュの指揮のもと、ベルリン・フィルの精鋭たちも、このときこそとばかりに全員が奮い立ってブルックナーを奏でているのが聴きとれる。
改訂版を採用した演奏はクナッパーツブッシュ盤のみなので、貴重な録音といえる。
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