2011年08月07日
ジュリーニ&ウィーン響のブルックナー:交響曲第2番
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ジュリーニ&ウィーン響の「ブル2」は筆者にこの曲の魅力を教えてくれた懐かしい演奏である。
なんとも詩情豊かな、洗練されつくした名演で、しかも生命感の希薄さとは無縁の内面の充実がある。
第1楽章から無用なものが一切なく、純粋に書法だけを音に変えた美しさが漂い出ている。
ジュリーニはブルックナーの音楽に誠実に奉仕し、自己の風格をその中に自然に反映させている。
ジュリーニのブルックナーへの傾倒を、ことごとく凝集したかのような演奏であり、豊かな洞察力と分析を背後に秘め、内的な共感を率直に反映しながら、みずみずしい音楽を歌う。
全体に優美で柔軟な味わいを持ち、第2楽章は内省的な味わいが濃く、テンポも無理なく比較的自由に動き、流麗な音楽を作っているのもジュリーニらしい。
特に後半の2つの楽章では、精妙なアンサンブルが壮麗な音楽を響かせ、劇的な表情を駆使できるところでさえ、あくまでも格調高く、高貴な品格を弱めることはない。
第3楽章のスケルツォの堂々とした風格、トリオの素朴な美しさ、終楽章のしっとりとうるおいを持った表情も印象的。
沈静と高揚、繊細と壮大といった対極的表現や、楽想の転換による音楽的途絶感の処理に、極めて綿密な注意を払った演奏だ。
やや官能的な快さまで含んだ表情の奥行きの深さには、柔軟な手つきで手操るジュリーニの確かな手腕がある。
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