2011年09月08日
ブロムシュテット&ゲヴァントハウスのブルックナー:交響曲第8番
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2005年7月1日〜2日にかけて行われた、ブロムシュテットのカペルマイスター退任記念コンサートのライヴ録音である。
旧東ドイツの名門オーケストラと新しい世代のドイツ系指揮者ががっぷり組んだ構築あふれる名演。
ゲヴァントハウス管弦楽団の美しい響きとブロムシュテットの棒の精彩とが、高次元で合体している印象が素晴らしい。
深みのある弦と金管とのブレンドが美しく、落ち着いた佇まいをもった、端然とした演奏である。
ウィーン風のふくよかで雄大ながら愚鈍な趣のブルックナーともドイツ風のどこか無骨な巨人のようなブルックナーとも違う、ひきしまってガッチリした壮大かつ精緻なブルックナーが聴ける。
すこぶる格調の高いブルックナーでり、精緻な構図の中ですべてが自然体にまとめ上げられ、味わいとこくに満ちた世界が展開している。
豊かな叙情を第一の特色とした演奏といってよいと思うが、同時に金管のフォルティッシモも実に重厚で強烈、この交響曲の魅力を過不足なく引き出す要因となっている。
精緻さと質感を十二分に備えた名演である。
加えてテンポ設定にも説得力があり、全曲を通じきわめて適確な曲運びを示す。
アンサンブルそれ自体が自発的に有機的な音楽を歌っているが、指揮者もゆたかな感興で音楽を起伏させている。
最良の意味での普遍的な演奏と評するべきか。
これは、神と対話するオルガン的な宗教サウンドのブルックナーではなく、コンサート・ホールで交響曲としてサウンドさせるシンフォニック・ブルックナーの理想形のひとつかも知れない。
特に終楽章の大聖堂のような充実した構築性は素晴らしい。
こうした自然体のブルックナーは、探してみるとその実なかなか見当たらない。
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