2011年08月09日

チェリビダッケ&ミュンヘン・フィル/ブルックナー:交響曲第8番(EMI盤)


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



晩年のチェリビダッケがもっとも得意とし、また聴衆からもリクエストが多かったのは何と言ってもブルックナーだった。

彼の晩年のブルックナー演奏は、他の指揮者や伝統とは大きく異なる。

まずテンポは遅く、響きは明晰をきわめる。

それぞれの楽器は、比較的同じ強さで、たとえて言うなら混声合唱の各パートの均等な重なり合いのような具合に、ハーモニーする。

これは、チェリビダッケが若い頃ルネサンス音楽を研究していたことにもよるのだろう。

元来、チェリビダッケの演奏においては、どのパートも非常に明瞭に聴こえるのだが、特にブルックナーだとその効果はすばらしい。

特に第8番はそういうチェリビダッケの芸風に合った名演だ。

めいっぱい遅いテンポで曲のロマンティシズムを綿密に歌いあげてゆく。

それゆえ演奏時間は著しく長いが、一つ一つの楽段のテクスチュアを丁寧に解きほくしつつじっくりと確実に進んでゆく。

終楽章の金管も決して咆吼にならず、気品豊かで、作品の巨大な姿を十分な時間をかけて解明した演奏。

私個人はチェリビダッケの晩年の演奏は必ずしも納得していないが、ブルックナーの後期交響曲の演奏は格別としている。

かなりの遅さではあるが、そのテンポによりはじめて可能な微細な表情、細部の綿密な仕上げがここで聴ける。

これはむろんチェリビダッケにしか成し得ない神業であろうが、ミュンヘン・フィルの暖色系の音色とアンサンブルがあってのことでもある。

神秘的であり哲学的であり、そして人間的である第8番と言える。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 06:11コメント(0)トラックバック(0)ブルックナー | チェリビダッケ 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ