2012年04月07日

デ・ヴィート&フルトヴェングラーのメンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲/ブラームス:ヴァイオリン協奏曲


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デ・ヴィートはそれほど多くの正規録音を残さず、そのほとんどはEMI系だが、これはイタリアのトリノの放送局で、フルトヴェングラーの指揮で録音された貴重な遺産だ。

よくぞこんな録音が残っていたものだ。

デ・ヴィートには今でもまだ熱狂的なファンがついているが、それだけに強烈に引きつける魅力がある。

女性でありながら男性的な気宇壮大なスケール感を、そして女らしいしなやかな情感と水も滴る抒情を合わせもち、まさに鬼に金棒のスタイルを特徴としている。

このブラームスの協奏曲では男性的な構築性を輪郭の明晰な大伽藍として造形しながら、一方で花も恥じらうしとやかさをしっとりとひびかせる。

かと思うと一転して激しい情感の目眩く陶酔に身を委ねる。

それでいて全体のまとまりも失われることはない。

デ・ヴィートの演奏の特徴は、その一音一音が自由で余裕があり、そこからスケールの大きな展望が生まれ、詩興がどこまでも広がってゆくところにある。

またその一音一音は心の微細なふるえやときめきに耳を傾ける内省的なひそやかさも示し、外界の明るく広い世界への讃歌と、内面の祈りとがひとつに融け合っている。

このブラームスの協奏曲はその両面にぴったりな曲。

彼女はここで水を得た魚のような自在さで泳ぎまわっている。

フルトヴェングラーにはもちろんこのスケールの大きさに対応する奥行きの深さに欠けていない。

メンデルスゾーンもデ・ヴィートのヴァイオリンは美しい。

彼女の神経に直接触れるようなデリケートな音で、ポルタメントとルバートを多用しつつ甘く哀しく歌い上げてゆく。

たとえばフレーズの終わりの感受性にあふれたディミヌエンドやすすり泣くような表現が決してセンチメンタルに陥らず、聴く者を遥かな国へと連れ去ってしまう第2楽章、そしてリズムを自由に崩し、個性的な濃密さを奔放に生かしたフィナーレ、いずれも見事である。

フルトヴェングラーの指揮も第2楽章冒頭の極度に繊細なピアニッシモや、フィナーレ開始部のものものしさなどは、彼以外の何ものでもない。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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