2011年08月11日

インバル&フランクフルト放送響のブルックナー:交響曲全集


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1982年から6年をかけて録音完成されたインバルによるブルックナー/交響曲全集のセットでの発売。

ブルックナーが最初に完成させた稿のみを用いるというユニークなコンセプトで作られた全集で、歴史的価値も極めて高い。

特に第3、4、8番にノヴァーク版の第1稿を用いているのが異色で、通常の演奏に用いられる稿と大きく違っており、ブルックナーの愛好家は必聴で、関心のある人にも見逃すことのできない演奏である。

インバルのブルックナーは楽譜を尊重した純音楽的な表現だ。

演奏は極めてよく整頓され、洗練されていて、インバルの強烈な個性で一貫している。

演奏の水準はいずれも高く、楽譜を徹底的に読み込み、それを忠実に再現しようとするインバルのやり方が生きている。

極めて知的な考究と尖鋭な感覚で、まず全体の骨格がつくられた後に音楽的な感興が作品の情緒を汲み上げる作業を行い、作品に応じた対応をしている。

清澄な響きと豊かな動感も楽譜に即しており、管弦の優秀な技巧が効果的で、ここまでオーケストラを精錬させるのは大仕事だ。

インバルの演奏は若々しく、精気に満ちた力と思索的な静けさを共に具えている。

緊張感をもったテンポに独自の爽快感があり、色彩感の美しさも特筆に値する。

以前の録音に比べると、格段に磨きのかかった響きとなっており、音の運びにも柔軟性が豊かに出て、1音1音に息づかいの感じられる演奏だ。

誠実で、何のケレン味もない棒さばきから、それぞれの曲の本質に触れた深い味わいが滲み出てくるのを聴いていると、ブルックナーという交響曲作家の偉大な精神が浮かび上がってくるのが感じられる。

録音のすばらしさも表裏一体となって、この名演の奥行きに加算されている。

最初の交響曲である、ヘ短調交響曲も、その創作の出発点を知る意味で興味深い。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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