2011年08月12日

フルトヴェングラー&ウィーン・フィルのブルックナー:交響曲第8番(1944年10月17日ライヴ)


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大戦末期、ウィーン・ムジークフェラインザールでのライヴ録音。

作品と指揮者が運命の糸で結ばれている、そんな磁力にも似た求心力を背景にうねるような起伏をもって再現された名演、熱演。

ハース版に基づいた演奏だが、フルトヴェングラーが若々しい気迫に満ちた音楽を聴かせる。

フルトヴェングラーの解釈は作品との強い一体感をベースとしたもので、それはバーンスタインがマーラー演奏に見せた陶酔感すら覚えさせるものがあるが、フルトヴェングラーのブルックナーには例えようもない気品と影の暗さがあり、それが感動のテンションをさらに高める。

そうした美質を引っさげてフルトヴェングラーはブルックナーの核心部分へと果敢かつ勇猛に足を踏み入れていきながら、聴き手を抗い難い興奮へと巻き込み、陶酔的感動に浸らせてしまう。

フルトヴェングラーの視点から再構成されたブルックナーという印象もあるが、その音楽の壮大さは比類がない。

テンポの大きな動きを伴うロマン的な語り口はこの指揮者ならではで、アゴーギクとデュナーミクを巧みに融合させた効果は、まさに名人芸といわねばなるまい。

作品にふさわしい抑制もきかせているが、クライマックスの構築はあくまでフルトヴェングラー流、ドラマティックな要素が際立つ。

作品の世界にのめり込みながらも、バランスを崩す直前で踏みとどまる、その匙加減が絶妙だ。

ことに第3楽章の連綿と続く歌の美しさにも特筆すべきものがある。

ウィーン・フィルの楽員たちは全身全霊を傾けて表現している。

フルトヴェングラーの凄さに圧倒される巨人の足音である。

今日のブルックナー解釈とは異なる世界に位置する歴史的名盤である。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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