2011年09月09日
ジュリーニ&ロス・フィルのベートーヴェン:交響曲第5番/シューマン:交響曲第3番「ライン」
この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。
ジュリーニの初の《運命》で、実演でもこの交響曲を指揮するのは15年ぶりだったという。
それだけに改めて作品を綿密に再検討した上で実現した演奏は、きわめて緻密に構成され、堂々たるスケールと風格をそなえている。
しかも、その表現は決して居丈高になることなく、あくまでしなやかでみずみずしい。
きわめてドイツ的な音色をもち、構築的にしっかりとした演奏である。
4曲あるシューマンの交響曲の中で、ジュリーニが録音したのはこの第3番のみ。
旋律を存分に歌わせた情緒的な表現というよりも、楽曲の構成的な美しさをあらわしているのが特色で、ティンパニやホルンなど、この曲の最も重要なパートを、力強くはっきりと浮き彫りにしている。
現在では原譜支持が圧倒的だが、フルトヴェングラーやセルなどの20世紀の巨匠たちは、スコアに手を入れることを主張し、これを実践した。
本盤のセールス・ポイントはマーラーが手を入れた版を使用している点。
無論、オーケストレーションの旨さでは群を抜くマーラーの版ゆえに響きはよく冒頭からして、そのどっしりとした響きにひきつけられるが、オーケストレーションに未熟さのあったシューマンの交響曲の欠陥を、見事にカバーした快演である。
ジュリーニの演奏美学と感性にもピタリとはまる。
叙情性豊かでスケールの大きい壮麗な第3番が出現している。
ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング
フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室。