2011年08月16日

クレンペラーのブルックナー:交響曲第9番


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クレンペラーはフィルハーモニアないしニュー・フィルハーモニア管とのコンビでブルックナーの交響曲を6曲吹き込んでいるが、その中でもこの第9番はとりわけ強い印象の残る演奏のひとつである。

最晩年のクレンペラーが行き着いた最晩年のブルックナーの世界とも言うべき演奏で、全体を見渡す冷徹な掘り下げと細部にまで行き届いた深い表現は巨匠ならではのものである。

ブルックナーの未完に終わってしまった第9交響曲は、情緒的にアプローチされるケースも多く、そうすると親しみやすいというメリットも出てくるけれど、逆に、この曲の本質的な強靭な存在感を、いくぶんなりとも弱めてしまいかねない。

その点、ここに聴くクレンペラー盤は、無愛想なので、かなりとっつきにくいところはあるものの、その表現するところ気宇壮大。

この曲の魅力を息の長い発想でスケール雄大に描きあげている。

クレンペラーのアプローチは、素朴なカトリック的ブルックナー像というのとは一線を画し、濃厚で、権謀術数に富んだようなアクの強さを持っているが、そこから生まれてくる表現力の強さは、やはりただごとではない。

ブルックナーそしてクレンペラーという通常のイメージに反して、テンポは決して遅すぎない。

音楽はむしろ思いのほかすっきりとした足取りで、揺るぎなく進行する。

オーケストラの響きも引き締まって純度が高く、表現はぐんと厳しいものになっている。

しかもそれでいて、無類の偉容と風格を感じさせるところが、巨匠クレンペラーのクレンペラーたる所以と言うべきだろう。

レコーディングされたのは1970年、彼が85歳の年であった。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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