2009年08月05日
クレンペラーのバッハ:ブランデンブルク協奏曲
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《ブランデンブルク協奏曲》はバッハの代表的な作品だけに、多くの指揮者が録音している。
しかし、この作品に反映されたドイツ精神を最もよく体現した演奏として、私はクレンペラーの録音を考えている。
実にスケール雄大な、悠揚迫らぬようなバッハで、その圧倒的な存在感はちょっと比類がない。
他の指揮者が、多かれ少なかれ独自の解釈を打ち出し、演奏に新鮮味をもたらそうとしているが、クレンペラーの解釈には何のケレンもない。
彼は、ひたすら音楽に精神を集中し、そこに籠められたバッハの精神を伝えようとする。
ここでは、6つの協奏曲のそれぞれ異なった様式と性格が、クレンペラーの作り出す安定した流れと結びついて展開される。
そこには常にクレンペラーの鋭い眼光が働いていて、一瞬たりとも弛緩が見られない。
弦楽だけで演奏される第3番や第6番は地味な作品だが、クレンペラーの音楽に対する考え方を端的に示している。
特に第6番の第2楽章での彼の演奏は、大空を悠々と流れる雲を眺めているようなファンタジーを呼び起こす。
バッハの音楽の偉大さ、指揮者クレンペラーの偉大さを再認識せざるを得ないような演奏内容である。
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