2011年09月23日
バーンスタイン&ウィーン・フィルのブルックナー:交響曲第9番
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バーンスタインが最後の年(1990年)にウィーン・フィルを指揮して残した無二の遺産(ライヴ録音)。
約20年ぶりに取り上げた第9番を圧倒的な感動に満ちた音楽として描き上げている。
バーンスタインは壮大なスケールの音楽を、自己の感性のおもむくままに表出しているが、内面の素朴な共感によってブルックナーの音楽的本質に触れている。
極めて自己主張の強い演奏で、随所に誇張気味の表情も見られるが、それが作為的に行われるのでなく、心からそのように感じとった結果と考えられるため、格別の真実味が感じられる。
第2楽章の克明なディテールと濃密な表情のなかに、バーンスタインの人間的な主張が明らかにされ、第3楽章の悠揚とした流れは常にない起伏を示し、すべてのフレーズに充実した表現力が充満し、強く積極的な神々しさがつくりだされて、味わい深いコーダへと高揚を続ける。
あたたかさと清澄感をそなえたフィナーレは、まさに感動的といわねばなるまい。
オーケストラの最高の実力を引き出した演奏であり、最も洗練された音楽感情が心から歌われている。
とはいえブルックナーの様式からは遠く離れており、第1楽章第2主題や第3楽章の粘着力の強い表現など、まるでマーラーのように聴こえる。
ブルックナーの作品よりバーンスタインの音楽性を感じさせる表現といえよう。
シンフォニストとしてのブルックナーの存在を3つの楽章を通して強くアピールする演奏である。
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