2011年08月24日
ヨッフム&ミュンヘン・フィルのブルックナー:交響曲第7番
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1979年11月8日、ヘルクレスザール・ミュンヘンに於けるライヴ録音。
「ブル9」の驚くべき名演でマニアの圧倒的支持を受けたヨッフム&ミュンヘン・フィルのブルックナー。
それに続き、ヨッフムの十八番として知られた、絶美の「ブル7」が登場した。
ヨッフムは多くの演奏をスタジオ・ライヴに問わず遺しているが、当演奏は枯れ切った来日公演(1986年)と覇気はあるが若干落ち着かない印象のある1960年代のスタジオ録音との中間にして理想形とも言える見事な演奏。
ヨッフムはいぶし銀の巨匠となり、ブルックナーの最高権威としてその普及に絶大な貢献をなした。
この演奏も実に味わい深いものがあり、ブルックナーの巨大な音楽構造の中に、人間的な温もりを感じさせる演奏となっている。
そしてその中で、かなりのテンポの変化を設けて情熱的なうねりも聴かせ、ブルックナーがロマン派の作曲家であったことを強く意識させている。
このようにロマン的な配慮も多いにも関わらず全体の造形が崩れないのは、ヨッフムの職人的な技が細部に行き届き、その結果アンサンブルが高度に維持されているからである。
ミュンヘン・フィルの演奏水準はチェリビダッケ着任早々ながら非常に高く、その鄙びた味わいは南ドイツのオーケストラならではで、この曲にさらなる潤いを与えていることは言うまでもない。
音色にうるさいブルックナー・マニアも唸らせる名演と言えよう。
本来熱しやすい音楽家であるヨッフムが動的なブルックナー解釈から静的なものに傾斜していくまさにその瞬間を捉えたのが、この1979年11月にミュンヘン・フィルに登壇したこの「ブル7」なのである。
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