2015年01月19日
シューリヒト&ベルリン・フィルのブルックナー:交響曲第7番
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シューリヒトの1930年代の代表的録音のひとつ。
放送録音を除くとこれがシューリヒトの初のブルックナー録音であった。
シューリヒトは1964年にハーグ・フィルとも録音したが、オケの演奏能力の低さやコンサート・ホール・レーベル特有の音質の低さが気になってしまう人もいるのではなかろうか。
それに対し当盤は、1938年と録音は一段と古いが、戦前にシューリヒトがしばしば客演したベルリン・フィルとの唯一のブルックナーの交響曲録音であり、それが残されていたことに深く感謝したいかけがえのないディスクである。
シューリヒトのブルックナーはそのどれもが格別の名演だが、戦前のベルリン・フィルのまろやかでブレンドのよいサウンドで綴られたこの第7番は、この指揮者ならではの悠然とした音楽の流れが絶品であるほか、渋く苦みばしった枯淡の表情もが独自の魅力を放っており、辛口の大人の味つけが聴き手を魅了する。
ハーグ・フィル盤とは基本的なスタンスは同じものの、微妙に表情の趣が異なる感じだ。
それはベルリン・フィルに良い意味での緊張感が漲り、普段よりさらなる透明感のある響きと密度の濃いニュアンスが醸し出されているからである。
ブルックナーを得意としていたシューリヒトの存在感と、誠実に音楽に奉仕する彼の棒が生み出した名演と言えようか。
録音はいかんせん古いが、最早そんなことは超越している。
否、このオーケストラであり、この録音だからこそ、シューリヒトとしても一期一会の素晴らしいブルックナーとなったのだと思う。
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