2011年08月29日
チェリビダッケ&ミュンヘン・フィル/ブルックナー:交響曲第8番(来日公演盤)
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1990年10月20日 サントリーホールに於けるデジタル/ライヴ録音がついに音質良好なCDで登場。
このときの来日公演は、レパートリーのこともあって空前絶後の評判となり、サントリーホールやオーチャード・ホールでおこなわれた一連のブルックナー演奏はクラシック・ファンのド肝を抜いたものだった。
チェリビダッケとミュンヘン・フィルの響きは、残響豊かなサントリーホールでは実に美しく聴こえる。
明るさと適度の艶っぽさが印象的で、それはこのCDでも十分うかがい知ることができよう。
ミュンヘン・フィルのメンバーも「すばらしい演奏だった」と大満足していたと伝えられている。
3年後に本拠地でおこなわれた公演を収録したEMI盤の演奏に較べると、テンポは若干速めで緊張が途切れることがなく、長めの美しい残響と共に、チェリビダッケのブルックナーの姿を鮮明に伝えてくれる。
特に3分半ほど演奏時間の違う第3楽章アダージョでは、オーケストラのコンディションもよほど良かったのか、精緻をきわめたコントロールが、作品の天上的な魅力をフルに引き出している。
これはまさに神秘の森である。この美しさを味わい尽くすには、96分という時間でさえあまりに短い。
この巨大な演奏を要所要所で見事に引き締めていたのが名物奏者ペーター・ザードロによる強烈なティンパニで、当日、会場にいた聴衆はその視覚的なインパクトと共に、20型105名という巨大オーケストラのトゥッティの上に轟く打撃に心酔したようだ。
以前のLDに較べて大幅に音質向上したこのCDでは、そうしたティンパニの魅力をも十分に味わうことが可能だ。
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