2011年09月06日
ヨッフムのブルックナー:交響曲第1番&第6番(旧盤)
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いずれもヨッフムの旧盤で、全集から分売されたのが有難い。
というのも、この2曲以外はシュターツカペレ・ドレスデンとの全集(新盤)で充分満足させてくれるからだ。
第1番のCDは朝比奈も良いが、スケルツォに大きな差がついている。
主部は胸がわくわくするような愉しい音楽だが、それをヨッフム(旧盤)くらい見事に表出した例はない。
快適なテンポ、生きて弾むリズム、鮮やかな音色感、チャーミングな主題の奏し方。
もちろんトリオの詩情もすばらしい。
この指揮者はアレグロ楽章の腰の軽いのが欠点だが、初期の作である1番シンフォニーだけにこれで充分だし、ブルックナーの本質をぴたりと捉えているので安心だ。
しかし、スケルツォに並ぶ傑作はアダージョで、聖フロリアン教会の春を想わせる清らかな寂しさを、ヨッフムは絶品の名指揮で聴かせてくれるのである。
第6番は、この曲の美しさを筆者に最初に教えてくれた忘れ難い名レコードで、その後ヴァント、アイヒホルン、朝比奈、スクロヴァチェフスキーなどの美演がより優れた録音で登場しても、この盤の価値は不滅といえよう。
とくにアダージョがすばらしい。
浄福と祈りに満ちたわびしさが全編を漂い、みずみずしいヴァイオリンの音色が最高である。
まさに絶美、至福のひとときだ。
同じヨッフムでもドレスデンの新盤には、この魅力はない。
第1楽章全体を駆けめぐるのは森羅万象の響きである。
彫りの深い、剛毅で有機的な生々しさがブルックナーの箴言を随所で伝える。
ただ、ヨッフムの表現はスケルツォ以下がいささかスケールの小さいきらいがある。
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