2011年10月10日

クリップスのマーラー:交響曲「大地の歌」


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本盤に収録された演奏は、マーラー没後100年を記念して初CD化されたものであるが、先ずは歌手陣に注目しておきたい。

テノールのフリッツ・ヴンダーリヒは、クレンペラー盤において、そしてバリトンのフィッシャー・ディースカウは、バーンスタイン盤において歌唱を行っているところだ。

要は、本演奏とほぼ同時期に録音された「大地の歌」においてもその歌唱を披露しているということであり、本演奏においてはライヴ録音ということもあると思うが、それらと同等か、それ以上の圧倒的な名唱を披露していると高く評価したい。

他方、指揮者はクリップス、そしてオーケストラはウィーン交響楽団であり、さすがに指揮者とオーケストラに格落ちと言えなくもないが、生粋のウィーン指揮者であるクリップスは、ウィーン交響楽団を巧みに統率して非常に味わい深い演奏を繰り広げるとともに、前述の歌手陣の圧倒的な名唱を温かく支えるという意味においては理想的な指揮ぶりであり、総体として優れた名演と評価したい。

いずれにしても、演奏内容だけを取れば、本演奏はクレンペラー盤やワルター盤に肉薄する名演と評価してもいいのではないかと考えられる。

もっとも、問題は音質であり、モノラル録音というのは上記2強と比較するとかなりのハンディと言わざるを得ない。

ヴンダーリヒとフィッシャー・ディースカウの歌唱はかなり鮮明に捉えられているが、オーケストラが今一つ冴えない音質であるというのが難点であると言える。

ただ、1960年代のライヴ録音ということを考慮に入れると、これでも十分に満足すべきとも考えられるところであり、贅沢は言えまい。

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classicalmusic at 22:20コメント(2)マーラー | クリップス 

コメント一覧

1. Posted by 小島晶二   2021年06月04日 09:38
本日は無事定刻に届きました。故吉田秀和氏等評論家に酷評されたせいか,クリップスは日本では殆ど人気が無い様です。でも故宇野功芳氏は彼のモーツァルトを評価しており,ドンジョバンニを強く推薦されていました。私はLP期に彼のジュピターを持っていました。初期ロマン派までの音楽には大人しい秀演が多く,ライヴよりセッション録音が得意な指揮者だったような気がします。
2. Posted by 和田   2021年06月04日 10:34
生粋のウィーンっ子であったクリップスがコンセルトへボウ管弦楽団を指揮したモーツァルトの交響曲集をお聴きになられましたか?いずれも古き良き時代のウィーンの雰囲気を彷彿とさせる素晴らしい名演です。仮に、クリップスが、コンセルトへボウ管弦楽団ではなくウィーン・フィルを指揮して演奏をしていれば、更にウィーン風の雰囲気は強まったとも考えられますが、録音当時のコンセルトへボウ管弦楽団は、北ヨーロッパならではの幾分くすんだようないぶし銀の音色が顕著であり、演奏に適度の潤いと温もりを付加させている点を忘れてはなりません。そして演奏は、優雅そのものであり、いかにもクリップスならではの本場ウィーンを思わせるような典雅な雰囲気に満たされています。クリップスのアプローチは決して手の込んだ個性的なものではなく、ゆったりとしたテンポによって、スコアに記された音符の一音一音を心を込めて精緻に表現していくというものですが、音楽の流れが淀むことはいささかもなく、むしろウィンナ・ワルツのように優雅に、そして颯爽と流れていくのが素晴らしいです。表現自体は、あくまでも自然体でオーソドックスなものですが、細部に至るまでコクがあり、豊かな情感に満ち溢れているというのは、クリップスが本演奏において必ずしも意図して行ったのではなく、むしろクリップス自身に染みついた天性の指揮芸術の賜物であり、まさに生粋のウィーンっ子の面目躍如たるものでしょう。モーツァルトの交響曲の演奏様式は、近年ではピリオド楽器の使用や古楽器奏法などが主流となっていますが、このような演奏を聴いていると、故郷に帰省した時のように懐かしい、そして安定した気分になる聴き手は私だけではないでしょう。

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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