2011年10月24日
カラヤン&ウィーン響のブルックナー:交響曲第5番
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1954年10月2日、ムジークフェライン大ホールに於けるライヴ録音で、ウィーン交響楽団の創立90周年を記念したCDである。
カラヤンの才能の確かさを証明する大変に優れた演奏。
カラヤンはまだ46歳、そして当時はあまり演奏されなかったブルックナー、しかも地味な第5番を振っていることが興味深い。
その意味でも、カラヤンが若い頃、実演ではよく振っていたウィーン響だが、このオケとの録音が比較的少ないことからも、これは歴史的に貴重な録音であり、音楽に生きる人たちの切実な叫びのようなものが聴こえてくる。
40代のカラヤンの強烈な個性が、剥き出しで示されたような衝撃的な演奏だ。
演奏はじっくりと遅いテンポをとり荘厳なブルックナーの響きが迫ってくるカラヤンの底力が充分に発揮されている。
全4楽章を通じメリハリの利いたブルックナー・サウンドで聴き手を飽きさせない。
実演ならではの大きな表情付けや激しいアタックが、造形を乱すことなく実施されている点はまさに驚異的。
カラヤンのオリジンを知るとともに、後にベルリン・フィルとつくりあげた演奏とのギャップによってカラヤンが目指した美学の方向性がみえてきて興味深い。
録音もモノラルだが当時の録音としては大変素晴らしい。
ライヴ盤が比較的少ないカラヤンだけに貴重盤の一つに数えられるだろう。
ウィーン響の名声が世界的なものになったのは、当時、カラヤンとおこなった数々の演奏会やレコーディングだったことを改めて想起させる素晴らしい共同作業である。
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