2011年09月20日
クーベリック&バイエルン放送響のブルックナー:交響曲第8番(1963年ライヴ)
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1963年11月8日、ミュンヘン・ヘルクレスザールに於けるライヴ録音。
クーベリックがスタジオ録音しなかったレパートリーだけにライヴ盤の存在はファンには嬉しいところ。
実演ではよくブルックナーをとりあげ、その功績からブルックナー・メダルも授与されていたクーベリック。
実際、残された録音を聴くとどれも非常に充実した演奏であることがわかるが、セッション・レコーディングが残されたのは、なぜか第3番と第4番だけだった。
この第8番の演奏の特徴をひとことで言ってしまえば、力強くスケールの大きな名演ということにでもなるのであるが、そこに込められた情感の深さもまたクーベリックならではの素晴らしいもの。
クーベリックはここで、息の長いフレーズを巧みに扱い、豊かなイントネーションと自然な呼吸感を生み出すことに成功している。
オーケストラの響き(特に潤いのある弦)が素晴らしく、拍が遅れ気味で音が鳴るあたりいかにもドイツのオケで、独特の深みが味わえる。
もちろん金管群の扱いも見事なもので、当時、すでに機能的にはベルリン・フィルに肉薄していたバイエルン放送響から立体的で奥の深い響きを引き出している。
クーベリックは第1楽章冒頭から明快なデュナーミクで端然と曲を構築している。
第2楽章は当然のことながらリズミックで、特に低弦には異常なほどの勢いがある。
第3楽章は素朴な表現、終楽章はこの演奏のクライマックスで、第1主題から力に満ち、強烈を極めた表現が作られている。
特に第350小節あたりからの迫力は物凄く、大指揮者クーベリックの面目躍如といった感動的な音楽を聴かせる。
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