2011年10月08日

ヴァント&ベルリン・ドイツ響のブルックナー:交響曲第5番


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1991年10月6日、ベルリン、コンツェルトハウスに於けるライヴ録音。

これはベルリン・ドイツ響を指揮して、ヴァント80歳の誕生日の直前に行ったライヴで、ベルリン・ドイツ響がヴァントの元で、純正のドイツのオーケストラとして緻密なサウンドを展開しており、理想的なブルックナーの「第5」で、圧倒的な説得力を持っている。

ケルン放送響(74年)盤、北ドイツ放送響(89年)盤、ミュンヘン・フィル(95年)盤、ベルリン・フィル(96年)盤と名演が並ぶこの曲の発売リストのなかに割って入ったベルリン・ドイツ響(91年)盤。

ブルックナー指揮者ヴァントが「第9」とともにもっとも愛好した「第5」に、緻密さと豪快さを併せ持つ究極の名演を成し遂げた。

ヴァントは、ブルックナーの「第5」と「第9」を、大衆に迎合しない作品として最も高く評価し、その中でも、「第5」については、ヴァントの芸風と最も符合することもあって、他の指揮者の追随を許さない数々の名演を遺してきた。

同時代のブルックナー指揮者である朝比奈としても、「第5」については、ヴァントに一歩譲るのではないだろうか。

そのヴァントの「第5」の数々の名演の中でも、最高峰はベルリン・フィル、そしてミュンヘン・フィルと録音した名演であることは衆目の一致するところである。

この両名演は、ヴァントの厳格なスコアリーディングに裏打ちされた厳しい凝縮型の演奏様式に、最晩年になって漸く垣間見せるようになった懐の深さが加わり、スケールに雄大さを増し、剛柔併せ持つ至高・至純の境地に達していると言える。

本盤は、これらの超名演の4年前の録音ということになるが、頂点に登りつめる前の過渡期にある演奏と言えるかもしれない。

後年の超名演にあって、本盤の演奏に備わっていないのは正に懐の深さとスケール感。

全体の厳しい造型は本盤においても健在であり、演奏も荘重さの極みであるが、例えば、第4楽章冒頭など、後年の演奏に比較すると素っ気ない。

つまるところ、いささか懐の深さが不足し、スケールがやや小さいと言えるのではないだろうか。

しかしながら、これは極めて高い次元での比較であり、本盤を名演と評価するのにいささかの躊躇もしない。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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