2011年10月05日

朝比奈隆&大阪フィルのブルックナー:交響曲第9番 公式ラスト・レコーディング


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2001年9月24日、大阪・ザ・シンフォニーホールにて収録。
   
2001年末、多くの音楽ファンに惜しまれて93歳で他界した巨匠=朝比奈隆。

その公式録音として最後となったのは、未完成とはいえブルックナーの最高傑作とされるの第9交響曲であった。

ブルックナー演奏史に多大な功績を残した朝比奈隆。

まるで巨匠自身の生きてきた道を噛み締めるようなこの演奏は、これ以上ない厳粛さに貫かれており、原始霧の開始から、一点の曇りもない空に限りなく伸びるような夕映えのごとき終止音に至るまで、まさに朝比奈一色。

彼にしか成し得ない究極のブルックナーが展開されている。

この演奏には言葉はいらない。そう思うのは筆者だけではあるまい。

しかし、間違いなく、これが指揮者、朝比奈隆の最後のブルックナーであり、結論であるといえるだろう。

朝比奈最期の舞台であるチャイコフスキーと同様、この「9番」は特殊なものであり、実演を聴かなかった方や、生前の朝比奈をご存じない方に、軽々しく批判して戴きたくない。

演奏の技術的水準が落ちているのは確かだが、そんな次元を遥かに超えて、此処には朝比奈隆という芸術家が、命を削って次代に託した音楽の遺言が刻印されているからだ。

従って、実演を識る者にとっては涙なしには聴けない。

なお、ライナーノートには朝比奈隆のブルックナー作品の全指揮記録が、特別企画として掲載されている。

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classicalmusic at 19:27コメント(2)ブルックナー | 朝比奈 隆 

コメント一覧

1. Posted by 小島晶二   2021年05月30日 09:36
4 うーん,確かに立派な演奏ですが,アンサンブルの粗雑な感じが付きまとい,残念ながらそれ程良いとは思えませんでした。和田さんは大阪まで行って聴かれたのですか。ライヴだと感触は随分違ってくるかも知れません。録音は今ひとつですが,朝比奈氏がいみじくも自分の総決算になると述べた前年のNHK響とのライヴの方が深遠でよりブルックナーらしさを感じます。DVDで見る限り朝比奈氏も矍鑠として指揮されていました。勿論それだけが直接評価を左右するものではありませんが。アンサンブルという点ではシカゴ響ライヴが最も上質ですが,それが却ってスローテンポを助長してしまった感が有り残念です。ブル8では大フィルの2001年東京公演の演奏はNHK響のそれと共に敢然たる名演だっただけに至極残念。
余談ですが,スクロヴェチェフスキー/ミネソタ管のブル9を部分的ですが試聴しました。軽質淡彩で,サロンミュージックの様になっています。それを打ち消そうとしてかアップテンポになったのも気になりました。カラヤン/ ベルリンフィルのブル9の1985年ライヴも聴きました (コンマスは安永徹氏)。録音状態が不鮮明なせいか無機的で,演奏自体大きな感動はありませんでした。シノーポリのブルックナー幾つか聴きました。彼の演奏は見通しの良さと自然なテンポが何といっても魅力で,グラモフォンの録音も秀逸。それが最も良好な形で結実したのは5番 (次いで7,9番でしょうか) で,ブルックナー特有のトレモロやユニゾンも申し分ないと思います。
2. Posted by 和田   2021年05月30日 12:14
朝比奈のライヴには東京で2度接しましたが、確かに朝比奈ラストレコーディングは統率力の衰えが否めません。私が高く評価するのは3度目の全集で、いずれ劣らぬ素晴らしい名演揃いですが、その中でも、第3番、第8番、第9番は至高の超名演と言えます。朝比奈のアプローチは荘重なインテンポで、曲想を真摯にそして愚直に進めていくというものです。スコアに記された音符を1つも蔑ろにすることなく力強く鳴らして、その指揮表現は、良き時代のドイツの音楽を反映したものと言うべく、内声部を重視して響きに厚みと重量感をもたせ、壮大なスケール感を生み出し、いささかも隙間風が吹かない重厚な音楽を構築していきます。その裏づけとなるのが、ひたむきな情熱で、いわば無手勝流の指揮ぶりですが、かえって安定した立派さを生み出すのです。このようにスコアに記された音符をすべて重厚に鳴らす演奏であれば、カラヤンやチェリビダッケも同様に行っていますが、彼らの演奏は、ブルックナーよりも指揮者を感じさせるということでしょう。俺はブルックナーをこう解釈するという自我が演奏に色濃く出ており、聴き手によって好き嫌いが明確にあらわれるということになるのです。これに対して、朝比奈の演奏は、もちろん朝比奈なりの解釈はあるのですが、そうした自我を極力抑え、各曲にひたすら奉仕しているように感じることが可能です。聴き手は、指揮者よりもブルックナーの音楽の素晴らしさだけを感じることになり、このことが朝比奈のブルックナーの演奏をして、神々しいまでの至高の超名演たらしめているのだと考えられます。オーケストラの実力はともかくとして、ブルックナーの魂の真髄を表現する演奏という意味に於いて、これほど作為が無い、崇高な演奏は筆者の試聴歴では未だかつて無いものです。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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