2011年10月14日
コンヴィチュニー&チェコ・フィルのブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」
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コンヴィチュニーはこの曲を3回も録音している。
ウィーン響、ゲヴァントハウス管、そしてこの演奏で、前2者はノヴァーク版、なぜかこのチェコ・フィル盤だけがハース版である。
コンヴィチュニーとチェコ・フィルの《ロマンティック》は、ドイツ的なブルックナーの典型である。
チェコ風のしなやかな表情はここにはまったくない。
そのかわりに、むしろゴツゴツした、肌ざわりの粗い、しかし圧倒的に内発的な力をそなえた表現が、演奏に鋼のごとき強靭さを与えている。
その表現は内にこもって深く精神的なものとなり、はげしく内に燃える。
チェコ・フィルのアンサンブルも密度が高く、陰影が深い。
とはいえコンヴィチュニーのブルックナーはよく歌いながらも淡々としており、その意味で今日では稀少価値がある。
むろん作品の起伏は確実で、表情は明快この上ない。
素朴で色付けのない表現だが、全曲にぴんと張り詰めた緊張感があり、オーケストラを朗々と歌わせた正攻法ともいえる演奏が、強い音楽的感興と結ばれている。
しかもこの指揮者の常として、無用にテンポを動かさない解釈が堂々とした風格を感じさせる。
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