2011年10月18日
スウィトナー&N響のブルックナー:交響曲第3番
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1974年12月17日、NHKホールでのライヴ録音。
1970-80年代N響の名誉指揮者として日本の聴衆から圧倒的人気を博したスウィトナー。
その公演回数は何と110回を超えるという。
「ブル3」はスウィトナーの初レパートリーで、スタジオ録音されなかったというだけではなく、この日がこの曲のN響初演という記念すべきライヴ録音。
ブルックナー演奏も好評だったスウィトナーだったが、残念ながら全集は途中で中断してしまった。
このN響とのライヴは、ミスは多少あるが、N響にとっても初演となるだけに気合い充分の入魂の演奏で、全体を通じて非常にテンポよく生き生きと進んでいく。
スウィトナーの表現は整理の行き届いたアンサンブルを基本に誠実かつ淡々とした足どりで全曲を通している。
第1楽章は流動感や運動性が強く、弦も管も明晰そのもので、音楽の輪郭がにじむことがない。
第2楽章は深い情念を秘めながら悠揚と進行し、正確な足どりが、優れた造形に結びついた表現だ。
後半2つの楽章も音楽がすみずみまで見通しよく広がり、金管の強奏を多用しながら、響きのバランスも崩れず、全体の均質化が実現しているのもよい。
複雑な構造をよく整理して、丹念に高揚や起伏を表現しているが、全曲を通してテンポに無理がなく、運動性の美しさ、格調高い表現も見事なものである。
また全体に落ち着きとゆとりを感じさせるのも、確かにブルックナーの本質と触れ合っているという印象を受ける。
スウィトナーのブルックナーは再認識されるべきと思わせる優れた演奏だ。
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