2011年10月19日

スウィトナー&シュターツカペレ・ベルリンのブルックナー:交響曲第5番


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スウィトナー&シュターツカペレ・ベルリンによるブルックナーの交響曲全曲録音は、1986年の8番にはじまり、1年1曲のペースで1、4、7、5番まで進んだところで病気により中断。

しかし、9番以外の名曲が録れたのは幸いだった。

いずれも録音はベルリン・キリスト教会で、残響が美しいのが特徴。

この「ブル5」は、1990年1月8-13日の録音で、スウィトナーは当録音の3ヵ月後に、同オケを辞任している。

ブルックナーの真髄と触れ合った秀演である。

極めて個性的で、スケールの大きい雄大な演奏だ。

スウィトナーらしく朗々と旋律を歌わせており、第1楽章はやや速めのテンポだが、晴朗で風格豊かな音楽だ。

古き良き時代のドイツの伝統に準じた解釈で、なんのケレン味もなく徹している。

第2楽章の、幅広い旋律の流れが壮大に高揚し沈潜する表現は、この楽章の様式と精神を素直な感受性で表出したものといえる。

第3楽章は素晴らしい動感と劇性の変転で聴き手を魅了し、テンポも良く、抒情的な雰囲気も良い。

第4楽章も特筆に値する演奏。軽やかなリズムと独自の歌謡性で一貫している。

そのためか緊張感がやや弱まる部分もあるが、コーダに向けて徐々に雄大さを回復していく。

ロマンティックな解釈とはひと味違うテンポに対する一貫性が保たれているが、この辺はスウィトナーの面目躍如たるものがある。

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classicalmusic at 20:47コメント(4)ブルックナー | スウィトナー 

コメント一覧

1. Posted by 小島晶二   2021年06月13日 09:29
4 ウィーンフィルやシュターツカペレドレスデンと並んで演奏活動の歴史が古いオーケストラで,その音色には他団体では得られない独特の古風で重厚な趣があります。録音は極めて優秀で,旧東ベルリンキリスト教会でのセッション録音は大正解と言えるでしょう。8番に始まったスイトナーのブルックナー連続録音はベルリンの壁崩壊後この5番で中断してしまい,事実上の引退を余儀なくされました。スイトナーのブルックナー演奏の中では私はこの5番が最上かと思います。でもテンポが速く,特に第2楽章は不満が募ります。スイトナーは自分の健康状態から早く録音を完成させなければといった焦りがあったのでは邪推してしまいます。一方,先述した8番の演奏はブルックナー演奏に関して辛口の故宇野功芳氏も褒めていましたが,低音域の重心の高さが気になり,私は余り好みません。ブル8のベストチョイスもそろそろ選定終了したいと個人的に思っています。クナ,朝比奈各種,マタチッチ(1984),チェリ各種辺りが選ばれそうです(ヨッフムのターラ盤は未聴)。
2. Posted by 和田   2021年06月13日 10:18
朝比奈の中からベストを決めるのも大変です。私としては、大阪フィルとの2001年盤、3度目の全集に含まれる大阪フィルとの1994年盤、NHK交響楽団と録音した1997年盤が3強だと考えますがいかがですか?8番はハイティンクのコンセルトヘボウとの2005年ライヴ盤も忘れてはなりません。ベートーヴェンやマーラーの交響曲の演奏では、今一つ踏み込み不足の感が否めないハイティンクではありますが、ブルックナーの交響曲の演奏では何らの不満を感じさせないと言えます。本演奏においても、ハイティンクは例によって曲想を精緻に、そして丁寧に描き出していますが、スケールは雄渾の極みです。重厚さにおいてもいささかも不足はありませんが、ブラスセクションなどがいささかも無機的な音を出すことなく、常に奥行きのある音色を出しているのが素晴らしいと思います。ただならぬ風格に圧倒される第1楽章、金管の咆哮が凶暴なスケルツォ、悠久の時を感じさせるアダージョはやはり絶品で、壮大に締めくくられるフィナーレに至ってはいつまでも忘れがたい印象を残します。これぞブルックナー演奏の理想像の具現化と言っても過言ではないでしょう。さらに第1稿からもギーレンを選びたいところですが、小島さんには反対されるでしょうね。
3. Posted by 小島晶二   2021年06月13日 10:39
ハイティンクの2005年ライヴ,その前のシュターツカペレドレスデンの演奏は未聴。アカデミー賞受賞したウィーンフィル盤は聴きました。こんな優雅でエレガントなブル8もあるのかと驚いた次第。丁度ショスタコーヴィッチの5番と同じ感触です。でもブルックナーを聴いた気がせず,もどかしいさを感じます。私は若い頃のセッション録音の方がベターだと思います。朝比奈は2001年盤かNHK響盤だと思いますが,私は完成度を考慮して僅差でNHK響盤を採ります。チェリのリスボン盤はアンサンブルは最高ですがテンポがスローなので,やはりシュツットガルト盤に軍配を上げます。評価高いヨッフム晩年のターラ盤はお聴きになりましたか? 残念ながら私は未聴。現在単売されていると聞いていますので,是非試聴したいと渇望しています。これまでのブルックナー論でザンテルリンクが出てきません。チェリと比較してみては?
4. Posted by 和田   2021年06月13日 11:15
ザンデルリンクは西側に名が知られたのが遅かったためか、大手メーカーからザンデルリンクにブルックナーの交響曲の全曲録音の企画は持ち込まれまぜんでした。ベルリン放送交響楽団、コンセルトヘボウ、BBCノーザン、ゲヴァントハウスそれぞれとの第3番とバイエルン放送交響楽団との第4番『ロマンティック』、シュトゥットガルト放送交響楽団との第7番などがレパートリーとして挙げられる程度です。いずれも彼の大曲に対する知的なアプローチが作品の構成を堅固に聴かせるだけでなく、同時にライヴならではの白熱した雰囲気も伝わってきます。特に晩年の第7番は、優しく、時に力強いザンデルリンクの良さが十二分に発揮された名演中の名演です。ザンデルリンクならではの慈愛に満ちたブルックナーで、いつものように丁寧に1つ1つの音を作り上げていきますが、そういう音楽に対して謙虚な姿勢が感じられる一方で、音は確固たる自信にあふれています。かつての日本盤解説では「何があってもびくともしない」と評されていましたがその通りで、その安定感が聴き手に対し、大樹に寄り添うような安心感を与えてくれるのでしょう。2012年に統廃合が行われた結果、現在では南西ドイツ放送交響楽団の名称で呼ばれているシュトゥットガルト放送交響楽団ですが、確かにオーケストラとしての完成度から言えば彼らを上回る楽団は少なくないでしょう。しかしこのブルックナーではザンデルリンクの悠揚迫らざるテンポの中に、幅広いダイナミズムを巧みにコントロールした采配に呼応する、高度な合奏力を持ったオーケストラであることが証明されています。むしろ超一流のオーケストラではそれほど顧みられない作曲家の朴訥とした作風を滲み出させているところも秀逸で、こうした表現に関してはドイツの地方オーケストラがかえってその実力を示しているのは皮肉です。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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