2011年10月22日
スウィトナー&シュターツカペレ・ベルリンのブルックナー:交響曲第1番(リンツ版)
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1987年5月12-15日、旧東ベルリン、キリスト教会に於けるデジタル録音。
筆者は正直言って、この「ブル1」は唯一スケルツォのテーマだけが胸をワクワクさせるような躍動感があり、魅力があるように思えるのだが、全体として、このスウィトナー盤を聴くまでは作品の真価を感じることができなかった。
スウィトナーの指揮は、作品の若々しさとウィーンの街ののびやかな雰囲気に通じる気分をくっきりと表している。
とにかく全体が歌に満ちた表現で、最初の低弦のリズムからさえ、もう躍動する歌が聴こえるようだ。
推進力も強く、デュナーミクのコントラストは強いが作為的ではなく、その線の太さは男性的と言えるし、オーストリア風の優美な様式が作品にふさわしい。
これがまた初期のブルックナー風でもあるのだ。
それに加えてスウィトナーの作る響きは明るく洗練されている。
スウィトナーが1964年から90年まで音楽監督を務めたシュターツカペレ・ベルリンは、さすがに指揮者の意図を完全に知り尽くしているようで、ディテールのすみずみまでよく練られたアンサンブルを聴かせる。
良い意味で常套的なスウィトナーの解釈は、楽譜に忠実であると同時に清潔でキメ細かく、しなやかで流動性が強い。
これは彼の音楽性そのものである。
現代の優れたブルックナー演奏の典型と言って良い1枚。
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