2011年11月11日
ムラヴィンスキー&レニングラード・フィルのシベリウス:交響曲第7番、チャイコフスキー:くるみ割り人形より (1977年東京ライヴ)
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ここにはムラヴィンスキーとレニングラード・フィルによる、2つのライヴ録音が収められている。
シベリウスは1977年10月19日、NHKホールに於けるもの、チャイコフスキーは同年10月12日、東京文化会館での演奏会の実況を収録したものである。
ムラヴィンスキーの指揮によるこれらの演奏は非常に音楽的に純度が高く、また豊かな風格を備えている。
シベリウスの交響曲は一般にしばしば見られるような北欧的な情緒性に頼ることなく、各動機の明確な扱いを通して堅固な構築性が与えられており、またその線の太い力強さの中にこの作曲家の精神が見事にとらえられている。
ムラヴィンスキーのレパートリーの中には、チャイコフスキーやショスタコーヴィチなどロシア、ソヴィエトの曲目が中心に置かれていると同時に、彼が同じくヨーロッパの北に位置する、隣国としてのフィンランドが生んだ大作曲家シベリウスの曲に共感を覚えるのはむしろ当然と言ってよい。
中でも第7番の交響曲は初期のものとは違い、民族的な性格が直截的に表に出るのとは違って、緻密な構成の中に抽象された曲であるだけに、このようなムラヴィンスキーの表現は一つの理想を達成していると言っても過言ではない。
チャイコフスキーは、弦の整えられた響きとその表現力を中心にして、ムラヴィンスキーの音楽がもつ品格の高さやスケールの大きさがよく示されており、特にそのスケールは本来のバレエを超えているようにさえ思われる。
いずれも充実度が高く、この指揮者の風格と年輪の厚みが感じられる指揮ぶりだ。
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