2011年11月24日
ムラヴィンスキー&レニングラード・フィルのベートーヴェン:交響曲第1番、第6番『田園』
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第1番は1982年1月28日、《田園》は1982年10月17日、いずれもレニングラード・フィルハーモニー大ホールに於けるライヴ録音。
《田園》は、レニングラード放送局が放送ライヴ(ディジタル)録音で、テスト録音していたもの。
《田園》という曲のせいか、ムラヴィンスキーとしてはあどけないばかりの微笑みや、いじらしい木管の歌い交わしや、心からの愛情が流れた表現であり、それが格調の高い音楽性の中からあふれ出る。
マイクがクラリネットの前にあってバランスが悪いが、それさえ愉しさを倍加させている。
この《田園》はこれまでのムラヴィンスキーとはいささか違い、管楽器パートのテクスチュアの絡みを重視して、そこに豊かな表情を要求している。
テンポも概して緩めにとっており、第1、2楽章ではまさに牧歌的性格を醸し出している。
そして、彼本来の特徴といえる低弦部を強調したマッシヴなエネルギーを第4楽章では思い切り発揮させ、終楽章ではおおらかなスケールで描いた会心の好演だ。
第1番は旧ソ連で初めてディジタル録音設備が導入されたレニングラード放送局で、実験的に行われたライヴ録音と言われる。
演奏は、造形がかなり古典主義的で、響きはロマン派的であるのが興味深い。
ムラヴィンスキーの芸術性を端的に示し、しかもその中に強靭な意志力と雄大な気宇が秘められた、格調の高いベートーヴェンである。
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