2011年11月28日

ターリッヒ&チェコ・フィルのスメタナ:わが祖国(1954年盤)


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チェコ・フィル育ての親である名指揮者ヴァーツラフ・ターリッヒ(1883-1961)が晩年LPに残したチェコ音楽のなかでもとりわけ注目すべき名盤のひとつ。

1929年にチェコ・フィルを指揮してこの組曲の最初の全曲録音を行ったターリッヒの25年後の円熟の極の演奏の記録。

ターリッヒが生前最も得意としていた作品だけあって、非の打ちどころがない堂々たる出来映えだ。

第1曲〈ヴィシェフラド〉からして訴えかける力は極めて強い。

全曲とも民族的色彩豊かな熱っぽい表現で、線の太い逞しい足取りには聴く者を激しく惹きつけるものがある。

チェコ・フィルの《わが祖国》がいろいろあるなかでも、様式的にはいちばん古いロマン的民族主義の範疇に入るものであろうが、それなりに明晰で目のつんだ気品の高い表現で、オケ自体の力も上がっている。

〈ターボル〉と〈ブラニーク〉などのチェコの歴史を取材した曲では、荘厳な寺院で壁画を仰ぎ見るような雰囲気のなかでの雄渾そのものの盛り上がりなど、ナチス占領下からの解放感がまだ風化する以前のチェコ人の共感が支えになっていたとしても、後続のチェコ人の名指揮者たちにも容易に超えられない高みに達したものであった。

特にスラヴの血の躍動を感じさせる〈シャールカ〉や〈ターボル〉は圧巻で、その壁画のなかの人物たちが生き返って壮絶なドラマを繰り広げる。

1954年録音のモノーラルだが、まだ今のように演奏力が低下する前のチェコ・フィルが、巨匠の指揮のもとで懸命の熱演を展開している。

ターリッヒはモダンで、引き締まった表情のインターナショナルな芸風の持ち主だった。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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