2011年11月23日

朝比奈隆&大阪フィルのマーラー:交響曲第9番


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当ブログのマーラーの項に朝比奈が登場するのを訝る向きも多いだろう。確かに「朝比奈はマーラーに片思いしていた」とは、よく言われることである。

朝比奈はブルックナー演奏を始めたと同じ動機、つまり「我々には演奏する義務がある」ということで熱心にマーラーに取り組んだのだが、ついにブルックナーほどの賛同は得られなかった。

その理由は、朝比奈の魂が健康すぎたことによると思う。朝比奈の些事を吹き飛ばす豪放磊落さは、ブルックナーのように肯定的な音楽には良くても、マーラーの複雑な苦しみや悩みを掬い取るには不向きであった。

したがって、大阪フィルと録音された、「復活」「第3」「大地の歌」などは、アンサンブルの詰めの甘さも手伝ってどうにも物足りない出来に終わっている。

ところが、同じ大阪フィルを指揮した「第9」(1983年2月15日ライヴ)は別格だ。たんにマーラーとしてだけでなく、数ある朝比奈の録音の中でも抜きん出た存在なのである。

これは、朝比奈のブルックナーを愛する方に聴いて欲しい録音だ。書道の名人が、大筆で大きな文字を書いたような演奏なので、多くの方には大らかすぎて「本当のマーラーではないよ」と言われるかも知れない。

しかし、この悠久の大河を思わせるフィナーレに身を浸しながら、生きていく上でのさまざまな悩みや辛いことが溶解していくことを筆者は聴くたびごとに体験している。

そういう癒しの効用からいくと、クレンペラー盤やバルビローリ盤よりも上なのである。

これこそ、朝比奈を最高のブルックナー指揮者にした生来の資質なのであろう。

こんなところで、その偉大さを再確認できることは嬉しい。

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classicalmusic at 20:01コメント(0)トラックバック(0)マーラー | 朝比奈 隆 

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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