2011年12月06日
クイケンEnsのバッハ:音楽の捧げもの
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クイケン兄弟にはレオンハルトと共演した録音があり(1973年)、そこではブリュッヘンではなくバルトルド・クイケンがトラヴェルソを吹いていた。
レオンハルトの迫真のソロを中心とした気魄の籠った名演だったが、これはその後1994年にクイケン兄弟が、コーネンとともに録音したディスクである。
同曲は決して難解な抽象的音楽ではなく、より「実際的な音楽」であるとジギスヴァルトが述べているように、あまたあるディスクの中でも、過分な気負いや力みのない大変にリラックスした家庭的な雰囲気のなかで奏でられる。
楽器の指定がないので、さまざまな編成で演奏されているが、4人というのは最小の編成だろう。
しかしクイケン3兄弟とチェンバロのコーネンの演奏には、少しも肩張ったり、声高などころはなく、しなやかに音楽する喜びにあふれている。
しかも、ひとりひとりが自発性にとんだ表現をすばらしい呼吸で織りなした演奏は、生き生きと豊かな表情をもち、最晩年のバッハが対位法の粋をつくした傑作の世界を余すところなく再現している。
特殊作品だからといって深刻ぶったところのない、自然体でのぞんでいるかのような彼らの演奏は、有田たちの雰囲気に近いものを感じる。
むしろ、大らかさという点ではクイケンたちの方が上か。
その意味では最もくつろいで聴けるし、親密な気分に溢れた演奏は同曲のイメージを大きく変えてしまうに違いない。
初版楽譜の曲順を採用している。
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コメント一覧
1. Posted by さとちゃん 2011年11月15日 22:39
トラックバックを頂いていながら、すぐに返答できず、もうしわけありません。数多くの録音に真摯に向き合う姿勢には、頭が下がります。僕とは、同じ意見を持ちながら、また書く表現の違いによるもので、karajanさんとお呼びすればよいのでしょうか、膨大なカテゴリを少しずつ読ませていただいております。僕は、特に古楽も好きで他のエッセイめいたものも書きますが、これからも、クラシック音楽ぶった斬りを末永くお続けください。まずは、お詫びまで。
2. Posted by 和田 2011年11月15日 23:05
さとちゃんさん、お詫びなど必要ありません。コメントありがとうございます。
仰せのように、数多くの名盤を真摯に聴くことをモットーにして書いております。
ご評価いただき、幸いです。
「クラシック音楽ぶった斬り」は私のライフ・ワークだと考えております。
筆の続く限り続けていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。
仰せのように、数多くの名盤を真摯に聴くことをモットーにして書いております。
ご評価いただき、幸いです。
「クラシック音楽ぶった斬り」は私のライフ・ワークだと考えております。
筆の続く限り続けていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。