2011年12月03日

ビルスマのバッハ:無伴奏チェロ組曲(新盤)


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ビルスマは『バッハ・ザ・フェンシング・マスター』という著作を出した。

これはチェロの弓をサーベルに見立て《無伴奏チェロ組曲》を演奏する上でのさまざまな独創的見解を譜面に即しながら縦横に説いたものである。

もとよりこの"チェリストにとってのバイブル"を演奏することは彼のライフワークで、「これからもきっと私のバッハは変わってゆくでしょう」と自ら語るように、1992年、下記の楽器を用いて録音したこのCDセットは、名匠ビルスマの一時期あるいは一段階を記録するものと理解してよい。

ビルスマは1979年にバロック・チェロによって全曲を録音していたが、この再録音は、ストラディヴァリウスの銘器セルヴェにガット弦と金属加工したガット弦を張り、現代風の弓を用いるという半モダン・チェロによって演奏している。

作品に対するビルスマの基本的な姿勢に大きな違いはないが、豊麗で幅広く、時にはコントラバスのように深い響きをもつセルヴェを自在に生かしきった演奏は、いっそう生き生きと気宇大きく、ビルスマならではの豊かな感興にとんでいる。

各舞曲の性格を生き生きと描き分けるとともに、そこに実にこまやかな表現を織りなして、これらの名作の真価と魅力を巨細に明らかにしており、まさに至芸である。

ビルスマの《無伴奏》は新旧それぞれの値打ちをもつが、旧盤と13年をへだてた新盤には、やはり演奏家としての年輪が実感されると思う。

古楽再現法の徹底というよりは、ビルスマ個人のバッハ観、音楽観の掘り下げがここには表れている。

おそらく近い将来、再びバロック・チェロを使用した3度目のビルスマ全曲盤が現れそうな気がするが、とりあえず、敢えて半モダン・チェロの上に自らの古楽奏者としての経験、英知、信念を結晶させた当盤の意味するところは大きい。

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classicalmusic at 22:44コメント(0)トラックバック(0)バッハ  

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