2008年01月03日
バーンスタイン&ベルリン・フィルのマーラー:交響曲第9番
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1979年10月、ベルリン芸術週間においてバーンスタインがベルリン・フィルを初めて指揮した伝説的な名演のCD化である。
これが両者の唯一の共演となった。
数あるマーラーのアルバムの中で最も強烈な存在感を示すと言われるバーンスタインとベルリン・フィルによる交響曲第9番。
これは最初の1音からマーラーの、そしてバーンスタインの世界に聴き手を引き込まずにはおかない演奏だ。
バーンスタインはここで、ベルリン・フィルからファナティックなまでの破天荒なサウンドを引き出している。
精鋭ベルリン・フィルを崩壊寸前まで煽りに煽り、鼓舞するバーンスタインのもと、発奮した楽員たちの壮烈な気迫がいたるところから伝わってくる。
その異様なまでの高揚と没入の激しさは、スタイリッシュな演奏で知られていたカラヤン指揮するベルリン・フィルとはまるで別団体のような凄まじいものである。
第1楽章の冒頭から既に尋常ではない緊張をはらんだ響きがとにかく強烈で、バーンスタインは、内在する情緒のすべてに共感し、濃密に表出している。
第2楽章は生気に満ちた表現で、第3楽章ではオケもまた指揮者と共に息づき、輝かしいソノリティと柔軟性を持って演奏している。
終楽章のテンポも緊迫感があり、とてつもなく深い感情移入と抒情的な歌の陰影は人間の声を思わせる美しさである。
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