2011年12月17日
クーベリック&シカゴ響のスメタナ:わが祖国
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クーベリックがチェコを離れてから4年後の1952年にシカゴ響と録音したクーベリック最初の「わが祖国」録音。
交響詩としてのスコアをきちんと聴衆に伝えることに主眼が置かれているようだ(特に、リズムや内声の動きの強調)。
その姿勢は、この録音の38年後のチェコ・フィルとの演奏でも基本的には変わらない。
フリッツ・ライナーが音楽監督に就任する前年のシカゴ響だが、30代後半のクーベリック(彼は1914年生まれだから、この録音当時はわずか38歳である)とオケのパワーのせいもあって若々しくエネルギー感に満ちた演奏になっている。
若いクーベリックは自在にオケを操っており、どの交響詩も気力の充実を反映して素晴らしい出来映えだ。
クーベリックがこれほど気負い立って演奏した「わが祖国」はCDでは他になく、シカゴ響の金管楽器は咆哮し、シンバルの炸裂、ティンパニの強打など大迫力で、オケのトゥッティではあらん限りのフォルティッシモが聴ける。痛快でもある。
クーベリックの「わが祖国」は、晩年に近づくにつれて後半の交響詩に表現の重点が置かれるようになっていくが、この録音では全ての楽章に手抜きがなく、かつ熱さ一辺倒に陥らずに叙情も忘れていない。
表現が豊かだし、迫力もあって今でも十分に魅力的な演奏だが、モノラルであり、最強音が割れているのが残念だとはいえ、そこはマーキュリー・リビング・プレゼンス、基本的に音質はいい。
これは最も劇的なアプローチをした「わが祖国」の例として語り継がれるべき演奏である。
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