2011年12月18日
ムラヴィンスキー&レニングラード・フィルのチャイコフスキー:交響曲第5番&モーツァルト:交響曲第39番(1975年東京ライヴ)
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1975年5月13日(チャイコフスキー)、6月7日(モーツァルト)、東京文化会館でのライヴ録音。
ムラヴィンスキーという指揮者も凄いが、彼のもとで鍛え抜かれた旧レニングラード・フィルも素晴らしい。
しかもその両者が彼らの心の調べというべきチャイコフスキーの交響曲第5番を全霊をこめて演奏しているのだから、これはほとんど言葉を失う名演だ。
確かに私たちは数多くのチャイコフスキーの名演を知っているが、眼光紙背に徹するムラヴィンスキーの指揮は、鳴り響く音のもう一つ裏側までも見通すかのような冷徹な気配をたたえており、頂点を究めた指揮芸術の真骨頂を満喫させてくれる。
ムラヴィンスキーの重く厚い表現は、チャイコフスキーから甘く感傷的な涙を洗い去った豪快とも評すべきもので、そこには内に激しい情熱があるとともに、外に不健康なものがない、実にスケールの大きな演奏だ。
しかも世界に第一級の腕を誇るレニングラード・フィルが、あふれるばかりのロシアの色と匂いと温度を伝えており、チャイコフスキーがロシアの作曲家であることをこれほどまでのインパクトで実感させてくれる演奏もほかにない。
しかもそれは、いわゆる偏狭な民族色を超えた普遍的美しさの域に達しており、オーケストラ演奏の鑑のような魅力と輝きを放っているのである。
モーツァルトは音楽的に厳しく、しかも第1楽章の冒頭から巨匠的な円熟した風格をたたえている。
その毅然とした姿勢の内部には、豊かな感情が素朴に示されており、第1楽章の重厚な温かい表現はその好例だ。
第2楽章もどことなく骨組みの太く悠揚とした音楽が歌われている。
しかもこの演奏は、後半でますます盛り上がり、第3楽章の交響的な格調の高い表現、終楽章の素晴らしいアンサンブルが極めて密度の高い音楽を作っている。
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