2011年12月21日
カラヤンのショスタコーヴィチ:交響曲第10番(新盤)
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1981年盤は演奏・録音とも圧倒的優秀CDである。
カラヤンはここではわずかなデュナーミクの変更を除けば楽譜に忠実に従っており、確信にあふれた表情で練りに練られた音楽を展開している。
ベルリン・フィルの、特にフルートやクラリネットのソロの見事さも印象的。
金管も卓越しており、フォルティッシモの盛り上がりの凄さ、壮大な起伏の効果はすばらしいの一語につきる。
この頃はベルリン・フィルが完全にカラヤンの理想の楽器になりきっており、有無を言わさぬ演奏能力の高さとサウンドの強力さに圧倒される。
どんなに世評が高い作曲家でも、カラヤンはたった1曲しか取り上げていない作品が意外に多い。
ショスタコーヴィチもそうした部類に入る。
この第10番には3種類の録音があるが、本盤は最後のもので、カラヤンのアプローチは明解で美しい。
ここには"謎解き"的な解釈や表現の誇張は皆無で、ベルリン・フィルの絶大な機動力や表現力、オーケストラの持つ極上のソノリティを駆使するのみ。
意味深な解釈以上にカラヤンの関心は、曲を絶対視し音楽としての造型美や構築美を探究することにある。
しかしそれがかえって同作品の意味深な内容を際立たせているから皮肉だ。
凄絶な第2楽章のアレグロはもとより、各楽章が深遠かつ壮麗に描き出されることこの上ない。
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