2011年12月24日

ブーレーズのベルク:「ヴォツェック」


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《ヴォツェック》演奏史上に大きな足跡を残した名盤。

ブーレーズの怜悧な眼光によって解き明かされたビュヒナーとベルクによる心理世界は、一点の曖昧さも残さず、人間存在の根底に迫ってくる。

明晰な分析に基づき、ベルクのスコアを緻密かつ克明に再現する。

鋭敏な表現で線の錯綜をくまなく表出するオーケストラは、当ディスクの最大の魅力。

切れ味鋭いアプローチでこの作品の前衛的な側面に強い光をあてる。

シュトラウスのマリーも、この表現に合致し、主役のベリーをはじめとする歌手たちの名唱が、ブーレーズの描く管弦楽の荒涼たる世界の上で、苦渋に満ちた人間存在への深い問いかけを行っているのである。

正直なところ現在の筆者は、《ヴォツェック》よりも数段《ルル》の方を好むが、ベルクの音楽に接しはじめた当時、《ヴォツェック》の持つ求心的なドラマトゥルギーや構成の明晰さと堅固さ、無駄なく切り詰められたフォルム等に幾度となく驚かされたものである。

その大きな原因はまさにこのブーレーズ盤の先鋭なアプローチにあった。

現在再度聴いても、際だって説得力のある鮮烈な演奏である。

スコアの隅々まで精巧に読み解き、独自の急進的センスによって徹底的な彫琢を加えた《ヴォツェック》ディスクであり続けている。

刺激と知性に満ちた《ヴォツェック》解釈の金字塔である。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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