2012年02月15日
小林研一郎&チェコ・フィルのスメタナ:連作交響詩「わが祖国」
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既に指揮の小林研一郎はチェコ・フィルと組んでこれまでも数枚のCDを出しているが、スメタナの《わが祖国》はチェコ・フィルにとっては母国語で語る音楽であり特別な意味があることを思うと、結局小林が彼らから多大の音楽的信頼を得ていると言うことになろうか。
チェコの人達にとってこの曲集は国歌以上に愛着があると言われており、事実これまでチェコ・フィルのチェコ人以外の指揮者との録音はなかった。
それゆえ、この新録音ではチェコ・フィルの楽員たちの小林研一郎への信頼の高さをうかがい知ることができる。
実際この演奏を聴いてみると小林が恣意的にこの曲から何か新しい表現を作り出そうとしているのではなく、チェコ・フィルのメンバーの中に熟成され眠っていたこの曲への愛情を小林が優れた音楽的センスできめ細かに美しく引き出しているという感じが強い。
弦をしなやかに使ってたっぷりと旋律を歌い、管と弦のフレーズの呼吸が完全に一体化する。
これはまさに彼らの音楽と実感する。
チェコ・フィルがこの曲を小林と録音すること自体、ひとつの事件だと思うが、実際ここで小林は自己を強引に顕示するのではなく、彼らのなかから自然にこの曲の語法を引き出し美しくまとめあげている。
小林とチェコ・フィルの関係はきわめて充実しており、全編のびやかでスケールの大きい指揮でチェコ・フィルも共感ゆたかにこれに応えている。
これは実に音楽的な《わが祖国》と言えるだろう。
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