2008年05月11日

C・デイヴィス&ロンドン響のスメタナ:連作交響詩「わが祖国」


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コリン・デイヴィスの初レパートリーとなる《わが祖国》は、デイヴィス渾身の指揮ぶりで、手兵ロンドン交響楽団を率いての、かなり熱い、情念渦巻く堂々の名演となっている。

デイヴィスの《わが祖国》への共感がこの演奏からは感じられ、聴き込むたびに新たな感動が得られる、味わい深い演奏である。

少し速めのテンポで、強奏は豪胆に、弱音は繊細に聴かせる。

《わが祖国》をここまで一息に聴かせる演奏は稀だと思う。

デイヴィスの年齢に関係なく新たなレパートリーに取り組む姿勢、意欲が現れた演奏だ。脱帽。

1曲目の『ヴィシェフラド』のなんと勇壮なこと! プラハを守る城は、フォルティッシモで地平線に堂々とそびえたっている。

そして起伏に富み、激しくうねる『モルダウ』。

『ターボル』や『ブラニーク』では期待通りの質実剛健な音楽を堪能できるし、また『シャールカ』のクライマックスの金管を思いっきりテンポを落として重々しい効果を挙げていると思えば、『ボヘミアの森と草原より』では中盤から速めのテンポ設定でドラマティックに展開、各曲の魅力を存分に引き出している。

名手揃いのロンドン響が、デイヴィスと息もぴったり、スメタナの愛した故郷の母なる自然の偉大さを、時に優しく時に激しく見事に歌い上げている。

チェコ・フィルをはじめとしたチェコの指揮者、チェコの団体の演奏は、確かに彼らの中に染み付いた節回しとリズム感で、これ以外にどうしようもないだろうという説得力を与えてくれる。

そういった説得力をデイヴィスに求めることはお門違いだ。

この演奏に腹を立てる人も、残念に思う人もいるだろう。しかし、デイヴィスが本気でスコアから鳴らそうとした音が、しっかりと生まれてきていることをこのCDからは聴くことができる。

デイヴィスは音楽の根源的な楽しさについて気づかせてくれる数少ない指揮者だと改めて思った。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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