2009年06月10日
ザンデルリンク&シュターツカペレ・ドレスデンのブラームス:交響曲全集
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引退をはさんで、その風格と渋味を湛えた音楽がますます注目され、熱狂的に支持されるようになった巨匠、ザンデルリンク。
シュターツカペレ・ドレスデンを指揮したブラームス全集は、もはや望んでも得られない貴重な記録で、その渋い造形美と温もりを感じさせる肌合いは「総檜造りのような音」と形容された。
内からわき起こるような力感と堂々とした偉容を湛えた、これぞブラームスといえる演奏。
ザンデルリンクのブラームスの交響曲といえば、本盤の後に録音したベルリン交響楽団との全集(カプリッチョレーベル)が名演の誉れ高いが、本盤も、それに勝るとも劣らない名演と高く評価したい。
何よりも、オーケストラの力量から言えば、本盤の方が断然上であり、その意味では、新盤とは違った意味での魅力ある名演と言うことができよう。
本盤の成功は、もちろん、ザンデルリンクの巨匠風の堂々たる指揮ぶりにあるが、何よりも、シュターツカペレ・ドレスデンの重厚な音色をベースとした素晴らしい好演にあると言える。
東ドイツという国が存在していた時代のシュターツカペレ・ドレスデンの音色には独特のものがあった。
重心の低い、それでいていぶし銀の輝きのある美しいジャーマン・サウンドは、特に、ドイツ音楽を演奏する際に、他では味わうことができない深遠さを醸し出すことになる。
それにしても、何と言う深みのある響きであろうか。
録音場所となったドレスデンの聖ルカ教会の残響も見事なものがあるのであろうが、シュターツカペレ・ドレスデンのいぶし銀の音色には、現代のオーケストラにはもはや求め得ないような至高・至純の輝きがある。
したたるような弦楽器の音色や重量感溢れる打楽器も見事であるほか、金管楽器や木管楽器も素晴らしいが、特に、ダムが吹いているであろうホルンの朗々たる響きには、ただただ感動するのみ。
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