2012年01月03日

ザンデルリンク&ベルリン響のブラームス:交響曲全集


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



まずは追悼ザンデルリンク。心よりご冥福をお祈り致します。

ザンデルリンクの新盤を、「ブラームス全集」の筆頭にあげる人は少なくない。

筆者もザンデルリンクを評価するのにやぶさかではない。

どこを向いても洗練されたものしかお目にかかれない時代だから、重厚なドイツの響きなどというのは昔の演奏でしか聴けないのだと諦めていた。

しかし、1990年にもなって録音されたこの全集は、それまでに見たこともない立派なドイツ風の鎧をかぶって登場し、人々に大きな驚きを与えた。

まず、ベルリン交響楽団の深みのあるくすんだ音色に魅せられる。まるで、タイムスリップして100年前に戻ったような蒼古たる音だ!

くすんだ色の油絵の具を幾重にも重ねたように分厚いブラームスのオーケストレーションが、ますます底光りをする独自の魅力に魅了される。

特に、即席ではなく長い時間をかけて練り上げたような弦楽器の渋い音色は、それこそ卒倒するほど美しい。

それをまことに堂々たる建築物に仕上げているが、細部にわたって細かな仕上げには暖かい愛情さえ感じさせる。

東西ドイツの壁が崩れ、旧東側に残されていた固有の文化も国際化の波にさらされており、こうした音色の失われる日も近いことだろう。

また多くの全集が出ている中で、4曲がこれほど均一して出来がいいという点でも、この全集は最右翼ではなかろうか。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 23:24コメント(2)ブラームス | ザンデルリンク 

コメント一覧

1. Posted by 小島晶二   2021年08月29日 09:44
4 今迄ザンデルリクの新旧ブラームス交響曲全集に関しては散々議論してきましたね。録音は新盤が優れていることは明白ですが,演奏は旧盤の方が優位なのは自明でしょう。何といっても天下のSKドレスデンですから。新盤は私にとってはスロ−テンポが顕著で,取り分け4番は付いて行けません。でも2番だけは新盤を推したいと思います。これほど内包的なすがすがしさを表出した演奏は無いからです。
2. Posted by 和田   2021年08月29日 10:39
ザンデルリンクは、本全集のほかにも、ライヴ録音を含め、数々のブラームスの交響曲の録音を遺していますが、その中でも最も名高いのは、シュターツカペレ・ドレスデンとともに1971〜1972年に行ったスタジオ録音ではないでしょうか。当該全集は今でもその存在価値を失うことがない名演ですが、それは、ザンデルリンクの指揮の素晴らしさもさることながら、何と言っても、ホルンのペーター・ダムなどをはじめ多くのスタープレイヤーを擁していた全盛期のシュターツカペレ・ドレスデンのいぶし銀の音色の魅力によるところが大きいです。それに対して、本盤の全集は旧全集の演奏よりもよりかなりゆったりとしたテンポをとっているのが特徴です。そして、演奏全体の造型は堅固であり、スケールの雄大さも特筆すべき素晴らしさです。もっとも、かかるテンポの遅さを除けば、何か特別な個性を発揮して奇を衒った解釈を施すなどということはなく、むしろ曲想を精緻に、そして丁寧に描き出して行くと言うオーソドックスな自然体のアプローチに徹しているとさえ言えますが、よく聴くと、各旋律には独特の細やかな表情づけが行われるとともに、その端々からは、晩年を迎えたザンデルリンクならではの枯淡の境地を感じさせる夕映えのような情感が滲み出しており、その味わい深さには抗し難い魅力が満ち溢れています。かかる味わい深さ、懐の深さにおいて、本盤の演奏は旧全集の演奏を大きく引き離しており、とりわけ楽曲の性格からしても、第4番の奥行きの深さは圧巻です。その人生の諦観のようなものを感じさせる汲めども尽きぬ奥深い情感は、神々しいまでの崇高さを湛えていると言っても過言ではありません。

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ