2012年01月10日
マゼール&ウィーン・フィルのブルックナー:交響曲第5番
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1974年3月25〜28日、ウィーン、ゾフィエンザールにおけるステレオ録音。
デッカならではの優秀録音による傑作。
驚異的なオーケストラ統率能力を誇るマゼールが、ウィーン・フィルの豊麗サウンドを完璧に生かした素晴らしい演奏で、ゾフィエンザールの優れた音響もあって各楽器の表情が実に豊か。
もちろんトゥッティの迫力もかなりのもので、終楽章コーダではウィーン・フィルがその実力をフルに発揮。
一方、長大なアダージョでの美しい響きも聴きもので、改めてこのオーケストラとデッカの相性の良さが実感できる。
ウィーン・フィルの楽員たちが「ここぞ!」と本気を出す姿を見てみたい曲は多々あるけれど、ブルックナーの《第5》の、それもフィナーレなんか最右翼だ。
2管編成のオーケストラが文字通りの総力戦を強いられる、対位法の大伽藍。
円熟期のベームや、晩年のカラヤンがこのシンフォニーをウィーンで吹き込まなかったのは残念でならない(最後のコラールなんか、いい音がしたであろう)。
意外と面白く聴けるのは、ウィーン・フィルが指揮者の棒の交通整理をやんわりと受けとめる体質を色濃くとどめていた1970年代に、マゼールと果たした録音だ。
この作品の緻密な構成を、しっかりととらえた演奏である。
終楽章の中核をなすフーガの、寄せては返す波のような(ffとppのパッセージが交替したりする)ダイナミックスの処理が実に手際よく、しかし音楽は決して矮小化せず、豊かな内実を保つ。
これがもし他の楽団だったら、才気に走った棒の交通整理ぶりが、多分鼻についたはず。
ただし、マゼールの指揮は、ブルックナーの音楽としては、洗練されすぎている感じで、もう少し、沈潜した宗教的な気分が欲しかった。
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