2012年01月15日

オーマンディのシベリウス:交響曲第2番/ムソルグスキー:展覧会の絵


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オーマンディ指揮フィラデルフィア管が実にスケールの大きな名演を聴かせる。

生前のシベリウスは、自宅に世界各地で演奏される自作の放送を聴ける、特別のラジオを持っていたが、彼自身が最も高く評価していたのは、オーマンディの指揮による演奏だった。

フィラデルフィア管がストコフスキー時代からシベリウス作品を得意としてきたこと、そしてオーマンディもまた素晴らしいシベリウス指揮者であったことは意外に知られていない。

最晩年の作曲者をオーマンディばかりか楽員全員が訪問したエピソードがあるが、そうした信頼感を音に聴かせてくれるのがこの第2番である。

晴れやかで輝かしく、太陽の光を浴びて一段と色彩感を高めたように響きわたる演奏は、陰影感には欠けるかもしれないが、なんと清々しく、また誇らしい感動へ聴き手を導くことだろうか。

豊麗にすぎるといった印象もあろうが、シベリウス自身も賞賛したオーマンディの音楽の豊かさは魅力だ。

特にオーマンディ晩年の演奏になるこのCDは、悠揚迫らぬゆったりとした表現で、円熟の至芸になっている。

またフィラデルフィア管のアンサンブルも、実に緻密そのもので、管楽器のソロなど惚れ惚れするようなうまさである。

決して北欧のローカル・カラーに寄り掛かった演奏ではないが、これでこそインターナショナルな交響曲の再現だと思われる。

オーマンディの自然でのびやかな解釈と、オーケストラが誇る音の美食のような音楽性と表現力が結晶となった幸福な名演だ。

「展覧会の絵」はムソルグスキーの音楽特性よりも、ラヴェルのオーケストレーションに焦点を当てた演奏で、フィラデルフィア管による豪華な音の饗宴が実に素晴らしい。

オーマンディはこの名人オケを意のままに動かしながら、それぞれの曲の持ち味を巧みに表出している。

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classicalmusic at 19:19コメント(3)シベリウス | ムソルグスキー 

コメント一覧

1. Posted by Kasshini   2018年02月15日 12:40
実はクレメンス・クラウス以上に不当に貶められた巨匠という印象をオーマンディには抱きました。オーマンディトーンは金管が煌びやかというよりも弦主体に管楽器が主張するまろやかなサウンドでむしろWPhに似ていて驚きでした。事実彼のベト8WPhライブとフィラデルフィア管弦楽団セッションはテンポの若干の違い以外うり二つの解釈。知的でノーブルなヴィブラートはモーツァルトにもあっていて古典派の解釈者としてWPhからは信頼されて。ホルスト惑星、ストラヴィンスキー、このシベリウスも素敵です。個人的に世界3大美音オケにACO,WPh,そしてこのフィラデルフィア管弦楽団を挙げようと思ってますね。
2. Posted by 和田   2018年02月15日 14:20
確かにオーマンディ&フィラデルフィア管弦楽団が遺した数多くの録音は今や忘れ去られていますよね。
かつての日本での批評もコテンコテンで、「音が奇麗で大きく、巧いばかりで内容がない」というのでした。音が奇麗で巧くて、どこが悪いというのでしょう。しかしあからさまに完璧なものを目の前に突きつけられると、人間却って「恐れ入りました」とは言いにくいのでしょう、やはり批評は人間が書くものだと、妙な親しみを感じたほどでした。
第一、40年の間、同じオーケストラの音楽監督を務めて、誰も「やめろ」と言う者がいなかった、これだけでもオーマンディの実力が並の物でなかったのが分かるというものです。聴き手を楽しませるために、途方もないレパートリーを完璧にこなして、しかも変な野心もポーズもない。本当は偉いことをしているのに、少しもそれとは感じさせない。やはりオーマンディは役者だなぁと思います。
特筆すべきは合わせ物の大家としてのオーマンディの実力で、日本では協奏曲の巧い指揮者を、「伴奏屋」として軽くあしらう傾向にありますが、これは大変な間違いというべきで、相手あっての音楽だから、ワン・マンのシンフォニーよりよほど難しく、その点オーマンディの協奏曲での指揮は名人芸で、まず彼の指揮だとソリストがのびのびと弾けるらしいです。そして例えば、ここのところはちょっとルバートをかけたいなと思うと、オーマンディはもうその通りルバートが出来るように振っていたらしく、指揮しながら直感的に、ソリストの心を読み取る超能力を持っていたということです。
フィラデルフィア・サウンドはムーティ以後の旅行指揮者によって、次第に薄れていったのが残念です。
3. Posted by Kasshi   2018年02月16日 07:10
モーツァルトのコンチェルト、ジュピター、はじめていいなと思ったブル5,シベリウス、ブラ1と聴いてますが、トランペットのヴィブラートが鼻につく時もありますが、これを超えるのはあるのだろうかと圧倒されています。今のところ、シベリウス含めて数えるほどなので書評をもっとみたいと思っています。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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