2014年06月18日

ジュリーニ&シカゴ響のマーラー:交響曲第1番「巨人」


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ジュリーニは、レパートリーが広い指揮者とは必ずしも言い難く、また、レパートリーとした楽曲についても何度も演奏を繰り返すことによって演奏そのものの完成度を高めていき、その出来に満足ができたもののみをスタジオ録音するという完全主義者ぶりが徹底していたと言える。

したがって、これほどの大指揮者にしては録音はさほど多いとは言い難いが、その反面、遺された録音はいずれも極めて完成度の高い名演揃いであると言っても過言ではあるまい。

これは、1971年、ジュリーニがシカゴ交響楽団の首席客演指揮者を務めていた時代の、このオケとのつながりがいちだんと密になり始めたころ、ジュリーニ50代半ば過ぎのレコーディングで、彼にとって初めてのマーラー録音であったと記憶する。

その悠揚迫らざる棒さばきのもと、どちらかと言えば現代風の鋭利な解釈ではなく、音楽的な美しさの優先する健康体のマーラーを聴かせている。

音楽のスケールの豊かさ、いたるところにちりばめられた美しい歌、それにいきいきした生命力はいつもながらのものだが、ここではとくに、ジュリーニの知的な能力の高さを改めて痛感させられる。

何しろスコアの読みが精細かつシャープ、そしてそれが全曲を実に見通しよく、きっちりと組み上げているのだ。

シカゴ交響楽団も持ち前のパワーだけでなく、むしろ室内楽的とさえ言える繊細なアンサンブルを展開して、指揮者のめざすところに応えている。

あのパワフルなモンスター・オーケストラが、むしろ一貫して精妙なアンサンブルを確保しつつ、息の長い歌の美しさを、見事な流動感とともに描き尽くしているところがすばらしい。

ジュリーニの格調が高く、そしてイタリア人指揮者ならではの豊かな歌謡性と気品のある極上の優美なカンタービレに満ち溢れた指揮に、シカゴ響の美しい音色が見事に融合した剛柔バランスのとれた名演に仕上がっていると言えるのではないだろうか。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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