2012年01月28日
シュヴァルツコップ&E・フィッシャーのシューベルト:歌曲集
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これは不朽の名盤だ。
シューベルト歌曲を無心に聴こうとする人にとって、理屈が全く不要な演奏である。
1952年の録音とはいえ、モノーラルゆえに、かえってひとつの風格と呼べるものが、このシューベルトに漂っている。
シューベルトのこの12曲は、まさにかけがえのない、シューベルトの歌曲録音史上に残る最高の1枚といえる。
シュヴァルツコップとエドウィン・フィッシャーという、今でさえも驚嘆すべき奇蹟のコンビが作り出す音楽。
ドイツ・ロマン派の作品を得意とするフィッシャーの深いロマン性と、シュヴァルツコップの格調の高い歌唱が、見事に一体となって、気品のある典雅で優美な音楽となっている。
《いま》という時点からみると、シュヴァルツコップの歌唱はいささか時代がかっているかもしれない。
しかし、これほどの感情移入の強さは、現在の歌い手たちには見られないし、これはひとつの時代様式を完成させた名歌手最大の贈り物だ。
詩の味わいのこまやかさと声の巧みな使い分けを、ここまで究めたソプラノはいない。
その無限の広がりの中に身を浸しているだけでも、シュヴァルツコップの言うように「人生が変わってくる」という考えが絵空事ではなく、それぞれの人たちの中に得難い体験として刻まれてゆく。
ギーゼキングのピアノによる『モーツァルト歌曲集』とともに、リート録音の最高作といえよう。
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